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人前の「寝落ち」許す日本文化は危険 外国人が驚く習慣の寛容度

安西洋之
安西洋之

 先日もミーティングの後、欧州のある人に「他の国とまったく違うから、日本はとても面白い」と言われたが、この評価を喜んでよいのか嘆くのが良いのか一瞬迷った。相手は必ずしも批判的に言ったのではないが、人前で寝落ちする姿に眉をひそめる表情も、ぼくは確認している。エチケット違反だと騒ぐ前に、一生懸命話しているのに目の前で寝られると心底ガッカリするのだ。 

 一方、欧州の人たちとの日本旅行中、何度か聞かれたことがある。

「人前で鼻をかむのは、どう見られるのか?」

 そこで「普通にティッシュペーパーで鼻をかむのは問題ないけど、欧州でやるみたいにチーンと大きな音は出さずに、少し顔をそらす方が好感をもたれると思う」とぼくは答えた。そしたら、彼らは滞在中、なるべくそっと鼻をかむようにしていた。

 これが文化差異なのだ。欧州の人は鼻水でズルズルと不快な音をたてるのは完全なエチケット違反と考え、そのかわり大きな音で鼻をかむのは問題ないと思っている。

 したがって、日本の人がプレゼン中にマイクを持って鼻水をすする音を部屋中に響かせたとき、欧州の人は猛烈に不快な顔をする。そして「鼻水を隠すために日本の人はマスクをしているのか?」との質問をぼくは受けるに至る。

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