元受付嬢CEOの視線

評価に不満を抱く社員の傾向 期末に悩む経営者の本音

橋本真里子
橋本真里子

 目的に沿って特定の従業員に時間をかけたほうがマネジメントコストも抑えられ、会社の成長にもつながります。薄く浅く関わってしまうと、それだけ成長も薄く浅くなってしまうのです。もし、「部下が多すぎて、マネジメントが大変だ!」と感じられている方がいたら、この考え方を参考にしていただければと思います。

評価はあくまで一過性

 最後に、評価はあくまでも「一過性のもの」と捉えるべきだと思います。例えば、ある期の評価が納得のいくものではなかったとしましょう。しかしそれはあなたの「人間性の評価」ではなく、あくまでもその期の評価にすぎないのです。一過性のものに対して悲観的に捉え、腐ってしまっては何も変わりません。割り切りや切り替えも重要だということです。

 評価する側も、評価対象者が落ち込むことを気にして、遠慮をした評価をつけてしまっては、「評価制度」の意味がなくなってしまいます。適切な評価をし、それを成長につなげていくことが重要です。一過性の評価と捉え、時にはドライに評価をすることも必要かもしれません。

 そしてもうひとつ。評価される側は、「評価する側はいいよな」と思うことがあるかもしれません。しかし、そんなこともないのです。時に評価する側も評価される側と同じくらい悩む時もあります。そして評価する立場である以上、自分自身はそれ以上のパフォーマンスを発揮していなくてはいけないのです。

 評価される側・する側それぞれがお互いの立場や気持ちになって考えて見ると、今と違った「評価」に対する視点が生まれるかもしれません。

橋本真里子(はしもと・まりこ)
橋本真里子(はしもと・まりこ) ディライテッド株式会社代表取締役CEO
1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら

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