すでに1160駅整備されている「道の駅」
塩野七生さんの大著『ローマ人の歴史』にも余すところなく書かれているように、ローマ帝国の繁栄は「ローマ街道」を筆頭にインフラ整備が不可分なものでした。現代の日本でも整備された道路インフラが今の我々の生活を支えていることに疑いはありません。
そんな、日本が誇る道路に「道の駅」と呼ばれる施設があることをご存知の方も多いかと思います。
安全で快適に一般道路を利用するための道路交通環境の提供や、地域の文化・特産品の紹介など地域振興を目的とした施設で、「地域とともにつくる個性豊かなにぎわいの場」を基本コンセプトにしているそうです。
実感としては、旅行で出かけた先などでチラホラと発見するようになって何年ぐらいでしょうか? なんと、北は北海道「わっかない駅」から、南は沖縄県「いとまん駅」まで、すでに1160駅(2019年6月現在)も整備されていました。
発祥は、1990年1月に広島市で行われた「中国・地域づくり交流会」の会合での提案だったとのことです。その後、1991年10月から翌年7月にかけて山口県、岐阜県、栃木県の計12カ所に「道の駅」制度の社会実験が行われ、1993年4月に全国103カ所が正式登録されたところからスタートしています。すでに25年以上の実績があるわけです。
停めやすさ、キレイなトイレも基本スペック
実際に利用して嬉しいポイントは多々あります。なんと言っても一番ありがたいのが、当たり前ですが、ドライバーにとって停めやすい駐車場が整備されていることです。しかも、何時間でも停め放題(車中泊などは禁止しているところもある)。出先では往々、駐車場に困ります。大きなショッピングセンターも確かに便利ですが、制限時間を超えると結構なお金がかかったり、そもそも入れるのに難しい複雑な構造で困ることも多々あります。
その点、大型バスやトラックの駐車も考慮されている「道の駅」は、フラットで見晴らしも良くとにかく停めやすい。また、時間を気にせず利用できることが運転者をリラックスさせてくれます。実際、大きなダンプなども多く停まっていたりで、長距離を走るトラックドライバーの方などにも大変助かる施設ではないでしょうか。その点でも道路の安全に大いに貢献している施設と言えます。