「自分で見落としていたもの、“そこを突かれたら痛いな”という部分を言ってもらった。例えば、特定分野に詳しい幹部に任せる領域が大きくなってしまい、本来の責任が不明確になったこともあった。そして、あいまいな責任が発端で損失も増えていた。松本さんの助言で役職の兼務を禁止にする新たな施策もできた。そういったエピソードは少なくない」
――松本晃取締役を呼ばなかったらライザップGはどうなっていたか?
「こんな質問は初めてだ(笑)。正直言って、松本さんが来なかった場合をできるだけ考えないようにしている。戻りようもなく、検証したところで今は今なので。線路の方向は(松本さんが来て)変わった。今後も方向の変わった線路の上で未来を造るしかない。良いことも含めて“あの時、こうなってなかったら”ということは考えていない」
――昨年8月のインタビューで医療関連のM&Aを検討していたが、今はどうか?
「非常に興味はあるが、明確には決まっていない。だが、糖尿病の疾患を持っている人に訴求できる取り組みをすでに医療機関と行っている。今、糖尿病を扱う医療機関120か所以上とすでに提携している。糖尿病の患者さんの薬の投与量の減少を目指し、RIZAPのトレーニングを医療機関と連携してやっていく。(人工)透析は、国の方でも莫大な医療費を気にしている。予防活動は、社会的にも価値があると思っている」
――海外展開は?
「ロサンゼルスは、マネジメント不備で出店から半年で撤退した。現在、台湾、上海、シンガポールなどに出店、元プロスポーツ選手や芸能人などを広告に起用し、順調に伸びている。今後もアジア地域で出店を増やす。アジアは糖尿病の方も多い。サウジアラビアも炭水化物をとる人が多く、糖尿病は多い傾向にある」
――東証鞍替えの思いは変わらない?