「例えば、さらに今期(20年3月期)も(グループ会社の)店舗閉鎖をやってしまうと、10億、20億は簡単に消えてしまう。それはやりたくない。今期は黒字を何としても確保したい。一方で、IFRSの場合、営業損失を出したくないばかりに店舗閉鎖や撤退に躊躇が生じやすい傾向にある。20年3月期で赤字を出さないためにも、19年3月期で大きい所を処理した」
――ジャパンゲートウェイ、タツミプランニングの2社で70億円以上の赤字が出た。原因は?
「ジャパンゲートウェイは売却損もあるが、(18年)4~7月の広告宣伝費用だけで15億円かかった。かなりの額を投資しながら、ほとんど回収できなかった。タツミはのれん分けもあるが、太陽光関連も大きかった。(国からの)補助金が減額され、とうとうカバーできなくなった。早く(太陽光から)撤退していればこんな大きな赤字を出さずに済んだ」
――今後、グループ企業の売却は予定しているか?
「前期は、非継続事業として赤字を大きく出したジャパンゲートウェイとタツミプランニング2社の損失が喫緊の問題だった。また、継続事業のワンダーコーポレーションも赤字店舗を中心に構造転換として閉鎖、引当をした。大きな塊で赤字が明確だった。2019年3月期で緊急的に大量出血していた部分を取り除いた」
「他のグループ会社はそれほど緊急じゃない。(売却の)扉は開いておく。『この事業が欲しい』という話を頂いた場合は、検討する。でも、何から何まで売るとはまったく思っていない。言葉は悪いが、前期は“足元を見られやすい”状態だった。憶測で『RIZAPがこの会社を売りたがっている』と、あらぬ売却に関する情報が拡散された。仲介会社も、とりあえず(買収先に)話を持って行って、(買収を)やるって言ったらこちらに初めて売却話をすることもあった。売却を考えていない会社であっても、そういうことがあった」
――松本晃取締役とグループ会社の再編を行ってきた。招へいして良かったことは?