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宇宙産業はSDGsの動きも後押し 国内市場の停滞打破はベンチャーが鍵

森智司
森智司

 2031年には1000人を宇宙へ

 PDエアロスペース(名古屋市緑区)は再使用が可能な宇宙往還機による宇宙輸送サービスを計画しており、次世代有翼ロケットの開発によって、宇宙旅行や大陸間の高速輸送、衛星の軌道投入などを目指しています。宇宙往還機の特徴は大気の環境に応じてジェット機、ロケットの2パターンで飛行可能な点です。2027年に本格的に事業を開始し、2031年には年間1000人を宇宙へと運ぶ計画です。

 2022年に月面着陸

 2040年に月面に1000人が暮らし、年間1万人が旅をする世界を目指して月面ミッションに取り組んでいるのがispace(東京都中央区)です。プロダクトは月の着陸船と月面探査車です。2022年には民間企業の固体電池や変形型のロボット、カメラなどを搭載し月面への着陸を目指します。2023年には月面着陸と探査を目標に掲げています。また、地球と比べて低重力である月の環境を生かした新素材の開発や創薬も検討しています。

 宇宙産業の国際市場が成長するための原動力は、イノベーションによって誕生する新たな宇宙利用です。その主役を演じるのは宇宙ベンチャーといっても過言ではないでしょう。

東京大学大学院新領域創生科学研究科。大学院では航空宇宙分野の研究(流体解析・機械学習を用いた極超音速飛行体の形状設計が専門)を行い、修士号を取得。デロイトトーマツベンチャーサポートに新卒で入社し、現在は国内宇宙ベンチャーの支援や海外ベンチャーの調査、大企業の新規事業立ち上げを支援。官公庁主催による起業家育成プログラムの支援などに従事。

【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら

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