海外情勢

インドネシア、首都移転決定 巨額費用に反発も過密回避へ大なた 

 ただ、4月の大統領選で首都移転は重要な争点となっておらず、ジョコ氏の移転決定にジャカルタ市民は「賛否両論」(在インドネシアジャーナリスト)という。466兆ルピア(約3兆5千億円)の移転費用に野党側が反発する姿勢も見せている。また、ジャカルタがあるジャワ島とカリマンタン島東部は千キロ以上離れており、空路しかアクセス方法はない。機能が分散され、行政や経済で効率が低下する懸念も出る。

 首都移転の難しさを浮き彫りにしたのがミャンマーだ。06年に南部ヤンゴンから、約350キロ北上した中部ネピドーに首都を移した。ただ学校や病院の整備が進まず、外国大使館などの移転の速度は鈍い。

 東南アジア研究所(シンガポール)のノルシャリル・サート研究員は「首都移転はインドネシアに根付いたジャワ島中心主義からの脱却といえ、歴史を変えるものだ」と説明。「国民の理解を得つつ、移転を成功に導けるかはジョコ氏のリーダーシップに掛かっている」と話している。

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