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「GSにあらずんば…」 政権泳ぐ巧みな「処世術」 トランプ氏と蜜月にやっかみも

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「GSにあらずんば…」 政権泳ぐ巧みな「処世術」 トランプ氏と蜜月にやっかみも

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 GSは肝心の業績の方も好調だ。2016年7~9月期決算は最終利益が前年同期比より47%増加し、20億9400万ドルだった。債券などのトレーディングが好調で、レバレッジや自社株買いも活用し、業績をぐっと押し上げた。

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 株価もこのところずっと上り調子にある。堅調な業績に加え、トランプ氏が実施するとみられる減税や大規模な景気刺激策が企業の資金需要を膨らませることへの期待、さらには今回のGS幹部重用人事による注目度の高まりと、「トリプルメリットの相乗効果」(米銀エコノミスト)が買い注文の拡大につながっているようだ。

 首脳まで政権に送り込んだGSの存在感がウォール街で一段と高まりそうで、米銀関係者が「GSにあらずんば…とならないことを祈りたいよ」と肩をすくめるのもうなずける。

 GSへのやっかみを“助長”することになったのが、GS幹部がこぞって保有する巨額資産だ。米メディアによると、コーン氏の場合は自社株が2億ドルを超すとされ、利益相反を避けるために政権入りする前に売却するとみられる。

 ただ、トランプ氏はGS以外にも金融界出身者を登用している。さらにいえば、トランプ氏は選挙戦で、銀行と証券の分離や課税の強化を示唆するなどウォール街批判をしていたことも奇妙に映る。トランプ氏の属する共和党は伝統的に金融規制に慎重で、民主党は規制強化に傾く。

 これについて、ある金融関係者は「GSはしたたかだ。共和党のみならず、民主党が後ろ盾となる政権とも上手に付き合い、あのリーマン・ショックもくぐり抜けた」と解説する。たとえば、民主党クリントン政権のロバート・ルービン氏、共和党ブッシュ政権のヘンリー・ポールソン氏はいずれも財務長官を務めたが、ともにGS内で会長として君臨していた。

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