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TPP崩壊寸前で中国が大攻勢 米国の裏庭駆ける習氏 各国は警戒も

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TPP崩壊寸前で中国が大攻勢 米国の裏庭駆ける習氏 各国は警戒も

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 トランプ米次期政権で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が漂流する中、中国が大攻勢をかけている。習近平国家主席は大統領選直後に米国の“裏庭”である中南米を歴訪し、関係強化をアピール。保護主義に傾く米国を横目に、アジア太平洋地域で覇権を築く狙いのようだが、各国では中国リスクへの警戒感もくすぶる。

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 「(中国にとって)ペルーは太平洋の対岸の『隣国』だ」

 11月21日。ペルーの国会に招かれた習氏は笑みを浮かべ、両国の友好関係の強さをアピールした。

 現地からの報道などによると、習氏はペルーのクチンスキ大統領と会談し、両国の全面的な戦略パートナーシップを強化していくことで合意した。

 習氏はそれに先立ち17日に訪れたエクアドルでは、コレア大統領との会談で、「両国の国益の融合を深める」と述べ、金融、インフラなど20分野での協力文書に署名した。さらに習氏は22日にチリも訪問してバチェレ大統領と会談。2国間の貿易を促進していくことで一致した。

 習氏のリップサービスぶりに、中南米諸国も気をよくしたようだ。クチンスキ氏は習氏に対し、「中国企業がエネルギーやインフラなどの分野で投資を拡大することを歓迎する」と期待。バチェレ氏も「中国企業の投資を歓迎したい」と述べるだけでなく、中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)へ早期に参加する方針まで表明した。

 中国の政府系機関紙、人民日報のニュースサイト、人民網によれば、習氏はペルーでは、「中国と中南米の関係の素晴らしい未来を共に築く」と題して演説。中南米との関係強化を強くアピールした。

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