【乗るログ】12年ぶりにハッチバック復活 とにかく完成度が高いトヨタ・カローラスポーツ
更新産経デジタル編集部のクルマ好き記者たちが国内外の注目車種を試乗する人気コーナー【試乗インプレ】。部員の育休などで休載していましたが、このたび連載タイトルを【乗るログ】に変えて再出発します! 公道はもちろん、ときに特設コースやサーキットを舞台に、軽自動車から超高級車までユーザー目線でテストドライブ。連載復活第1弾は、こちらも12年ぶりにハッチバックモデルが復活したトヨタ自動車の「カローラスポーツ」を紹介します。新企画、開発担当者の「ヒトコト言わせて!」も併せてお楽しみください。(文・写真 大竹信生)
9車種中、最多の「10点」を獲得
昨夏に発売されたカローラスポーツは、同年12月の日本カー・オブ・ザ・イヤーでボルボ・XC40と大接戦の末に2位に選出されるなど、業界関係者から非常に高く評価されたハッチバックだ。総合獲得ポイントではXC40に及ばなかったが、それぞれの選考委員に与えられた25点の持ち点のうち、最高点となる「10点票」を選考対象9モデルの中で最も多く集めたという事実が、カローラスポーツの完成度の高さを物語っている(全60名の選考委員のうち22名が「10点」をカローラに投票)。
動力源は1.8L+モーターのハイブリッド車(HV)と、1.2Lターボガソリン車をラインアップしており、今回はガソリンモデルの前輪駆動車(FF)に試乗した。装着タイヤは16インチ、ミッションは10速スポーツシーケンシャルシフトマチック付のCVT(自動無段変速機)だ。
意外だった乗り心地
着座位置は思っていた以上に低い。隣に並んだアクアの運転手の視点がかなり高く感じたのだが、実はアクアの方が全高は低いのだ。ステアリングを握ると脚を前方に投げ出すような姿勢になるが、ダッシュボードやメーターフードが低いこともあって前方視界は良好だ。発進時のアクセル操作に対する反応はソフトで、ハンドリングには若干の遊びがあり、足回りもしなやかで接地感が高い。スポーツと名乗るがゆえ、キビキビとした走りを想像していたが、意外にも主張が強かったのは、蜜のようにしっとりとした乗り心地の良さだった。