【木下隆之の試乗スケッチ】トヨタ新型クラウン 有能な“秘書”とつながるんです!
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新型クラウン
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初代クラウンの誕生は1955年という。1955年といえば、トヨタ自工とトヨタ自販が合併し、現在のトヨタ自動車株式会社になるはるか27年も前のことだ。つまり、クラウンはトヨタ自動車の激動を見つめてきた生き証人であり、トヨタ自動車の歴史そのものといっていい。
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◆日本で進化してきた「専用車」
驚くのは、これほど立派なボディスタイルであるにも関わらず、海外に積極的に輸出されることなく歴史を紡いできたことだろう。日本専用車なのである。
それだけに、日本人の趣味趣向に寄り添うように進化してきた。狭く入り込んだ日本の道路を走ることや、けして大柄ではない日本人の体型を乗せやすいように開発されてきたことが誇らしい。
新型になって伸びやかなスタイルになったものの、いたずらに肥大化せず、全幅は1800mmを超えようとしないのも、日本での使い勝手を考えたことなのだろう。
◆もうオヤジの車とは呼ばせない?
そんなクラウンの15代目となる新型は、「コネクティッド」が最大のテーマである。
プラットフォームは新開発のTNGAであり、直列2リッターターボから、直列4気筒2.5リッターハイブリッドとV型6気筒3.5リッターまでのエンジンを揃え、日本しか走らないのに世界一過酷なドイツのニュルブルクリンクサーキットまで遠征して開発を進めたというほど走りにこだわっていながら、クラウンのエポックは「つながる」というあたりが時代を象徴している。
それはほとんどスマホとの連動であり、365日24時間と情報がつながっているのである。そこには「クラウン=オヤジの車」といったこれまでのクラウンにまつわる保守的な面影は薄い。