【試乗インプレ】刺激とおもてなしの共存 レクサスの新顔、最高峰クーペ「LC」(前編)
更新高級車ブランドのレクサスが春先にフラッグシップクーペ「LC」を投入した。今回試乗したのはガソリン仕様の「LC500」というモデルだ。ハイブリッド車(HV)の「LC500h」から1カ月遅れて4月中旬に発売されたばかりだが、売れ行きはHVを上回るハイペース。1300万円スタートの高価格にもかかわらず、納車まで半年待ちという人気ぶりをみせている。心臓部は小排気量化の潮流を完全に無視した5リッターV8エンジンと、乗用車では世界初搭載となる10速ATの組み合わせ。前編では466キロのロングドライブを敢行して走行性能をチェックする。(文・大竹信生/SankeiBiz 写真・瀧誠四郎)
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走ってすぐに分かるクオリティの高さ
ダウンサイジング全盛の今、これだけ大きな自然吸気(NA)エンジンはもはや希少種といえるが、実は昨年試乗したレクサスのスポーツクーペ「RC F」とスポーツセダン「GS F」にも同型のエンジンを搭載している。LC500が過去の2車種と一線を画すのは、トランスミッションが従来の8速ATから10速ATに進化していること。そして、今後のレクサスの後輪駆動(FR)ラインアップの基礎となる新開発「GA-Lプラットフォーム」を採用した第1号車でもある。これだけでLCに対する期待値はぐっと高くなる。
都内で真っ赤に輝くLC500を受け取ると、瀧カメラマンが笑顔で「カッコいいね」と第一印象を口にした。そう、おそらく誰が見てもこのレクサスは文句なしにカッコいい。見た目だけではない。エンジンを始動すると「ブブブブ、ブウォン!」としびれるサウンドが車内に鳴り響く。「相変わらずいい音してんなあ」と筆者も唸ってしまった。