【試乗インプレ】コルベットの6.2Lエンジンを“移植”したキャデラック「CTS-V」
更新今週の試乗インプレは、米ゼネラル・モーターズ(GM)の高級車ブランド「キャデラック」にイッキ乗りする豪華企画の続編をお届けする。今回の主役はGMのスーパーカー、シボレー・コルベットと同じ6.2リッターV8エンジンを搭載する高性能セダン「CTS-V」だ。エンジンをかけた瞬間に「ブウォン!」と猛々しく吠える姿からは、すでにトランプ米大統領ばりに“暴れん坊”のにおいがプンプンとする。これはもしかして、とんでもないクセ者と関わってしまったか!? 恐る恐るアクセルペダルを踏み込んだ。(文・大竹信生/SankeiBiz 撮影協力・GMジャパン)
“サーキット育ち”の4ドアセダン
今回、GMジャパンからキャデラックに試乗するお誘いをいただき、5車種を乗り継ぎながら群馬県の桜の名所を訪ねてきた。前編ではキャデラックの最高級セダン「CT6」を取り上げたが、今週は全く味付けの異なるミドルサイズのスーパースポーツセダン「CTS-V」にフォーカスする。
このクルマのベース車両はCT6の弟分にあたるCTSだ。メルセデス・ベンツのEクラスやBMWの5シリーズと競合するサイズといえば分かりやすいだろうか。そのCTSに、GMがレース活動で培った最先端技術をフィードバックした“サーキット育ち”の高性能車両がCTS-Vなのだ。
試乗インプレでもレクサス「RC F」や日産「GT-R」などのハイパフォーマンスカーを取り上げてきたが、CTS-Vは4ドアセダンという点でこれまでのスポーツカーとは大きく異なる。カテゴリーとしてはマセラティ「クアトロポルテ」や昨年試乗したレクサス「GS F」に近いが、あの時は雪上走行だったので、はっきり言ってほとんど比較対象にはならない。個人的にこれといった直近のベンチマークがない中で試乗をスタートさせた。