【試乗インプレ】カッコよし、質感高し しかも独競合車種より廉価 マツダ・CX-5(後編)
更新ドイツ車的な走りの質感を持つCX-5。今回は内外装のディテールを収めた写真満載で、デザインと使い勝手を掘り下げる。果たしてそのコスパ評価は…。(文と写真:Web編集室 小島純一)
魂動デザインさらに洗練度↑
初代CX-5に始まった魂動デザインはロードスターで一巡。ミニバン系と他社OEM車種を除いた自社生産の国内ラインナップはすべて魂動デザインとなった。CX-5は魂動デザイン二巡目の第一弾と言える。
CX-5、アテンザ、アクセラ、CX-3、デミオ、ロードスターと魂動デザインに刷新された新型車種が発表されるごとに洗練度を増し、新型CX-5では完成の域に達した感がある。一言でいうとシャープでカッコいい。
まずは顔つきから。お馴染みの五角形グリルは、先代より横方向に拡大。ヘッドライトが切れ長のLEDとなったこともあって、実際の横幅以上にワイド感が際立つ。微妙に逆スラント(上部が前に突き出した形状)したフロントマスクが鋭さに拍車をかける。長めのボンネットにはグリルの輪郭の延長線上にプレスラインがAピラーまで延びており、スポーツカーのような雰囲気さえ漂わせる。
横からの眺めでは、写真を見るとわかるとおり、前輪車軸から斜め上後方に伸ばした線の上にAピラーの傾きが重なるように配置されており、クルマの動きと形状がシンクロしているように感じられる。背が高いSUVながらサイドビューが伸びやかなのはこのおかげか、と腑に落ちる。
リアビューを引き締めているのはリアコンビランプ。ヘッドライトと意匠を揃えており、こちらも切れ長でシャープ。寝かされたリアガラスと相まってストイックで凝縮感のある“お尻”を演出している。
SUVは派生車種として乗用車をベースに作られることが多く、かつては「とってつけた感」の強いデザインの車種も多かった。しかしSUV人気が高まった昨今では、メーカー各社からスタイリッシュSUVが続々と発表されるようになり、BMWのX4、X6のように4ドアながら車体後部をファストバック形状にしたSUVクーペというジャンルすら確立されるようになった。この連載で取り上げた中でも、ジャガー・F-PACEやベンツ・GLCなどはSUVというジャンルを超えて素直にカッコいいと思えるクルマだった。
そんな強豪ひしめく中にあって、CX-5はSUV全体でもトップ5に入るスタイルだと思う。車格が同等の他社SUVに限定した比較であれば、一番ではないか。形に惚れて買ってしまっても後悔しないと思う。