【試乗インプレ】170万円台から買える「電気自動車」 日産ノートe-POWERの燃費性能は?(後編)
更新日産自動車が昨年11月に発売した「ノートe-POWER」は、ガソリンを入れてモーターだけで走るという不思議な“電気自動車”だ。前編ではロードインプレッションを紹介したが、後編では使い勝手や内外装、気になる燃費性能をお届けする。(文・大竹信生/SankeiBiz 写真・瀧誠四郎)
ノートe-POWERは厳密にはハイブリッド車(HV)に分類される。HVとは複数の動力源を持つクルマのことで、ノートe-POWERもガソリンエンジンとモーターの2つのパワーユニットを有している。ただ、このクルマが一般的なHVと違うのは、「エンジンで発電した電気をバッテリーに蓄えてモーターだけで走る」というシリーズ方式を採用していること。シリーズ方式はそもそも電気自動車(EV)の技術をベースに開発されたため、モーターにバッテリーをつないで電気の力で走るという観点から、ノートe-POWERはEVとも言えるわけだ。実際、日産はこのクルマに『電気自動車のまったく新しいカタチ』というキャッチコピーを付けている。
ガソリンさえあればどこまでも
ノートe-POWERの使い勝手だが、結論から言うと抜群にいい。ガソリンを入れるだけで電気を作り出して走るので、一般的なEVに付いて回る「充電の心配」が全くない。外で充電スタンドを探すことも、自宅に充電器を設置するといった煩わしさとも無縁だ。みなさんが乗り慣れているガソリン車と同じで、ガソリンスタンドさえあればどこまでも走ることができてしまう。
100%モーター駆動ということは、静粛性に優れていて振動も少ないということ。実際に走ってみると、加速時も減速時もスピードに関係なく滑らかで、まるでレールの上を走っているかのようにスムーズだった。しかも、日産のEV「リーフ」とまったく同じモーターを、リーフより300キロも軽いボディに積んで走るから想像以上にパワフルだ。難点を挙げるとすれば、高い静粛性が逆に仇となり、高速走行時にロードノイズや風切り音が目立ちやすいこと。ただ、走っているうちに慣れてしまうレベルの話だから心配はいらない。
ノートe-POWERは発電機能を持つため、従来型のHVやEVのような「重くて高価な大容量バッテリー」を積む必要がない。薄くて軽い小型バッテリーを前席床下に搭載することで車両の軽量化と燃費の向上を実現。バッテリーのコストダウンのおかげで車両価格が下がり、居住スペースや荷室を広く取れるというメリットも出てくる。