【試乗インプレ】ライバルはハイクラス軽だ ルノー・トゥインゴ(後編)
更新前回、街乗りのしやすさや峠道の走りで潜在力の高さを感じさせてくれたトゥインゴだが、見た目や使い勝手はどうだろうか。欧州勢のライバルや、サイズの近い軽自動車との比較からその特徴に迫っていく。(文と写真:Web編集室 小島純一)
助手席が広いってどういうこと?
外観寸法は、国産車ではダイハツ・ブーン(トヨタ・パッソ)が最も近い。ブーンは、軽自動車とコンパクトカーの中間的なサイズを狙った車種。国産各メーカー普通車の最小サイズ車種(トヨタ・ヴィッツ、日産・マーチ、ホンダ・フィット、マツダ・デミオ等)よりもひと回り小さく、軽自動車よりもひと回り大きい。
輸入車ではフォルクスワーゲン・up!、フィアット・500が、サイズ的にも動力性能的にもライバルにあたる。
海外には軽自動車のような規格がないから、コンパクトカーの性能やサイズはメーカーが自由に決められる。トゥインゴの属するAセグメントは欧州基準で最小サイズの乗用車カテゴリーであり、つまりは欧州のユーザーが許容できるギリギリの大きさ(小ささ)ということになるだろう。
実際に乗り込んでみると、決して広いとは言えないまでも、窮屈と感じることはない。軽自動車と比べると助手席側が特に広く感じる。軽自動車では運転席優先のレイアウトで、センターコンソールを左寄りにオフセットして、助手席の幅が狭くなっている車種が多いからだ。軽の車幅は1.48メートルまでと定められており、トゥインゴとは13センチの差がある。この差が助手席側の幅に割り振られていると考えていいだろう。2人乗りの機会が多いユーザーなら、この差は見逃せない。
見る角度で印象が変わる 表情豊かなデザイン
規格で縛られていないサイズの余裕は、外観デザインからも窺える。
前後フェンダーにはふくらみが与えられ、小さいながらもボリューム感十分。特に真後ろからの眺めでは、後輪がしっかり踏ん張っていて数値以上に立派に見える。ブラックアウトされた全面ガラス仕立てのリアハッチと相まって、往年の名車ルノー・5(サンク)を彷彿とさせるクールさもある。