【試乗インプレ】“味”にうるさいユーザーも納得の完成度 BMW・218d グランツアラー(前編)
更新行楽の秋真っ直中。紅葉狩りに、キャンプに…と家族や仲間と連れだってドライブに出かけるには絶好のシーズンだ。今回はそんなシーンにぴったりのBMWの2シリーズミニバン、グランツアラーのディーゼルエンジン仕様車を取り上げる。(文と写真:Web編集室 小島純一)
ミニから引き継がれた“血筋”
日本での発売から約1年半、街で見かける機会も増えてきたこのクルマ。デビューの際には、BMWブランドでは初となる前輪駆動車(FF)であることも話題を呼んだ。
BMWは2001年よりミニ(MINI)ブランドを継承してFFの小型車を作っており、2シリーズのグランツアラーとアクティブツアラーにも現行ミニのプラットフォームが使われている。つまり、ミニの十余年で培った技術をBMWブランドに水平展開した結果が、このFFの2シリーズというわけ。
後輪駆動(FR)にこだわり続けてきたBMWが、走りにうるさいユーザーを納得させられるまでにFF技術を成熟させ満を持してのデビュー、とも考えられる。
しっかり家族向けの乗り心地
大阪市内のディーラーを出発、大通りを走り始めてすぐに感じるのはボディー剛性の高さ。路面の荒れから来るショックをボディー全体でしっかり受け止めていて、「クルマに守られている」と強く感じる。どの座席に座っていてもファミリーカーに求められる高い安心感を得られるだろう。
乗り心地は芯がありつつソフトという印象。BMW=ドライバーズカーというイメージから想像する硬さは抑えられている。いい意味で乗用車的であり、ミニバンというカテゴリーに合わせてチューニングされていることがわかる。
ガソリンエンジンと遜色ない上品なディーゼル
ディーゼルエンジンは低回転からトルクもりもりで、3リッターぐらいのエンジンを動かしているような感覚。
出足のレスポンスもよく、後続車をたちまち引き離す。レッドゾーンは5500回転あたりとディーゼルとしては高回転まで回る特性でガソリンエンジンと遜色ないフィーリング。