【試乗インプレ】高級感アップ “美”にこだわった500万円台のベンツ「Cクラスクーペ」(前編)
更新今回の試乗インプレは、今年3月に発売されたメルセデス・ベンツの新型「Cクラスクーペ」にフォーカスする。この連載でクーペを取り上げるのは、春先に紹介したレクサスの「RC F」以来、かなり久しぶり。見た目はフラッグシップモデルの「Sクラス」と見間違えてしまうほど貫禄が出てきたが、気になる走りや質感はどうか-。500万円台で購入できる“リーズナブル”なラグジュアリークーペの魅力に迫る。(文・大竹信生 写真・瀧誠四郎)
「クーペ独特のカッコよさを楽しんで欲しい」
メルセデス・ベンツ(以下ベンツ)の中で最も販売台数の多いクラスが、エントリーモデルの「Cクラス」だ。セダンやステーションワゴンと一緒にこのクラスのラインアップを形成するのが、今回主役のCクラスクーペ。ちなみにCクラスのプラットフォームをベースに開発したSUVが、4月に小島純一記者が試乗したGLCだ。
車両を受け取りに東京・六本木のベンツ日本法人に行くと、ちょっとした“焦らし”を挟んで真っ白のCクラスクーペが颯爽と姿を現した。「おっと、これは思っていた以上にカッコイイぞ」。頑張って無表情を貫くが、心の中では思わずニヤニヤしてしまう。
試乗車は「C180クーペ スポーツ+」という上級グレード。ボディカラーは光輝材をまぶしたダイヤモンドホワイトという色だ。ドアを開けると、ブラックを基調に所々アルミパーツを差したクールな内装と、強烈な存在感を放つ真っ赤なスポーツシートが目を引く。ベンツを見るとすぐに「カッコイイ」と言いたくなるのは舶来志向の強い一部日本人の“あるある”かもしれないが、でもやっぱりカッコイイ。そこには間違いなくドライバーや同乗者の気持ちを高ぶらせる最高のデザインと、自然と漂うオーラがある。これがベンツのブランド力でもあるのだろう。
広報担当にこのクルマの魅力を聞くと、「やはりクーペ独特のカッコよさを楽しんで欲しいですね」ということだ。てっきり運動性能の話が来ると思っていたので、これはちょっと意外だった。