【試乗インプレ】車高200ミリでも速い! クロカン仕様のボルボ「V60」(前編)
更新スウェーデンの自動車メーカー、ボルボが昨年10月、スポーツワゴンとSUV(スポーツ用多目的車)を融合させたクロスオーバー「V60 クロスカントリー」を日本市場に投入した。このクルマの最大の特徴は、ベース車両のV60を65ミリもリフトアップして最低地上高を200ミリまで拡大し、オフロード走破性を大幅に高めたことだ。今回のインプレは、優れた環境性能と静粛性が持ち味のクリーンディーゼルターボエンジンを搭載した「D4 SE」というモデルを試乗した。前編では外観や舗装路での走行性能、安全装備をじっくりチェックする。(文・大竹信生 写真・瀧誠四郎)
「利便性」「スポーツ性能」「走破性」の三拍子
ボルボのクロスカントリー・シリーズは、ワゴンタイプのVシリーズから派生したオフロードテイストの強いモデルだ。今回試乗したV60 クロスカントリーのベースであるV60は、多目的性に優れるエステート(ステーションワゴン)に、高い運動性能をプラスしたスポーツワゴンと呼ばれる車種。これにSUVの要素を融合させたクロスカントリーは、その“血統”の良さから「利便性」「スポーツ性能」「走破性」の三拍子が備わっているはずと勝手に期待してしまう。普段はスバルのレガシィ アウトバック(前身のレガシィ ランカスターも)に乗り慣れている筆者にとって、ここは非常に興味深いポイントだ。
現在、ボルボのラインアップでクロスカントリーの呼称が付くモデルはV40とV60の2車種のみ。車両寸法やエンジンが大きいV60の方がアッパーモデルとなる。ちなみにボルボには「XC」シリーズという本格SUVがあるが、Vシリーズがベースのクロスカントリーはそれよりも “マイルド仕立て”となる。
SUVらしさは200ミリという車高の他にもたくさん盛り込まれている。V60と差別化したハニカムグリル、ボディ下部を跳ね石などから守るスキッドプレート、荷物を屋根に積載するときに使うルーフレール、(タイヤを格納する)ホイールハウスを縁取るフェンダーエクステンションなど、ラフロードにも耐えうる装備でがっちりと身を固めている。