【試乗インプレ】“21世紀の国民車”新型プリウス、売れまくってるけど肝心の走りは?(前編)
更新トヨタ自動車の新型プリウスが売れている。昨年12月の投入以来、6月までに7カ月連続で新車販売台数のトップを快走しているのだ。もちろん、今年の上期新車販売も唯一の10万台超えで“独り勝ち”。だからといって、読者の皆さんはそのことについて驚かないだろう。プリウスは今や国民車ともいうべき身近な存在。売れて当然と思われているのだ。「だって燃費がいいし、先進技術を搭載しているし…」。確かに従来のモデルはそこがウリだったが、どうやら今回デビューした4代目はそれ以上に高い評価を得ているようだ。日本一売れる人気の秘密を探るため、東京-横浜間をドライブしてみた。前編では外観やロードインプレッションをお届けする。(文・大竹信生 写真・瀧誠四郎)
外観を大幅チェンジ「えっ、これがプリウス?」
エンジンとモーターを組み合わせて走るハイブリッドカー(HV)は、エコカーの代表格ともいうべき存在。そして、1997年に初代モデルがデビューしたプリウスが量産型HVの先駆者であり代名詞的存在であることは、言わずと知れたことだ。
そんな“ザ・エコカー”プリウスが昨年末にフルモデルチェンジを実施した。これまで通りハッチバックセダンであることに変わりはないが、大変身を遂げたエクステリアは多くの人を驚かせたのではないだろうか。筆者もあまりの変わりように「えっ、これがプリウス? 攻めてるなあ」と仰天してしまった。
もちろん、これまでのプリウスは移動手段として見るとかなりの優等生なんだろうけれど、見た目はなんとなく「平凡」「つまらない」といったイメージを持っていた。最近では「プリウス=タクシー」の印象も強くなり、ついつい行灯やスーパーサインをセットで思い浮かべてしまう。
生まれ変わった4代目プリウスは奇をてらった感もあるが、鋭利なヘッドライトや縦長のテールランプは一度見たら忘れないインパクトの強いデザイン。カッコいいかどうかは別にして、存在感は抜群だ。