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ホンダF1復帰「挑戦の価値あり」 環境技術で量産車との相乗効果
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ホンダは16日、自動車レースの最高峰、F1シリーズへの復帰を発表した。2015年から英名門レーシングチーム「マクラーレン」にエンジンなどを提供する。08年シーズンを最後に撤退して以来、7年ぶり4度目の参戦となる。F1で磨いた最先端のエンジン技術を市販車にも反映させ、自動車離れが進む国内市場を活性化させる起爆剤とする狙いだ。
「ホンダはレースに参戦し、勝利することで成長してきた企業」
同日会見した伊東孝紳社長は、復帰への思いを熱く語った。ホンダは創業者である本田宗一郎氏の強い希望で1964年にF1に初めて参戦して以降、レースを通じて技術とブランド力を磨いてきたためだ。
加えて、来年からF1のルールが大きく変更され、「環境技術」がクローズアップされることも再参戦を後押しした。
伊東社長は「環境技術という軸が出てきたので、挑戦する価値があると判断した」と狙いを説明した。特に、減速時のエネルギーを電気に変えて燃費を向上させるエネルギー回生システムは、量産車にとっても重要な技術で、ホンダは相乗効果を期待している。
一方で、年間500億円超ともいわれたF1の運営費用も、エンジンなどの供給にとどめたことで、前回より大幅に抑えられる。
もっとも、近年のF1レースは各チームともコスト削減が進み、1チーム当たりの平均予算が百数十億円規模まで減少。ホンダが再参入しやすい環境が整ったといえる。
ホンダの2012年度の世界販売が初めて400万台を突破したこともあり、「業績回復に自信を持っていることも復帰につながった」(BNPパリバ証券の杉本浩一シニアアナリスト)。「若年層に人気のあるホンダが技術の最先端を提供するというアナウンス効果も期待できる」(野村総合研究所の小林敬幸上級コンサルタント)。
「(復帰の)計画はない」としているトヨタ自動車の動向にも影響を与えそうだ。