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岩手の自然が優しく切り取られた作品に 映画「リトル・フォレスト」 松岡茉優さんインタビュー

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岩手の自然が優しく切り取られた作品に 映画「リトル・フォレスト」 松岡茉優さんインタビュー

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「1年に及ぶ撮影で東北地方を味わうことができました」と語る、女優の松岡茉優さん=2014年7月30日、東京都港区(大橋純人撮影)  この顔を見てピンとくる人も多いだろう。2013年に大ヒットしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」(能年玲奈(のうねん・れな)主演)でアイドルグループのリーダー役を演じたのがこの人、松岡茉優(19)だ。「あまちゃん」の舞台となった岩手県に足を踏み入れたのは、意外にも新作映画「リトル・フォレスト」(森淳一監督)の撮影のときが初めてだという。

 「実は『あまちゃん』では最後まで岩手県での撮影に参加する機会に恵まれませんでした」。残念そうに話す松岡だが、念ずれば通ずとはよく言ったもので、変則的な形で岩手県を訪れることになる。「『あまちゃん』の撮影中、私は『リトル・フォレスト』の脚本も読み込んでいました。撮影の合間に『リトル・フォレスト』の撮影にも参加するといった具合です。1年を通して岩手県奥州市にある山深い場所でのオールロケでした。思い出深い作品となりましたよ」

 撮影自体は過酷でも

 「リトル・フォレスト」は漫画家、五十嵐大介(45)の同名の人気漫画を実写映画化したもので、映画版は夏・秋・冬・春編の4部作。今回、先行公開されるのは夏と秋編だ。都会での生活に疲れ故郷・東北地方の小さな集落「小森」に戻った少女、いち子(橋本愛)が、自給自足に近い生活に切り替え、旬の食材を駆使して創作したおいしい料理を毎日食べることで、少しずつ元気を取り戻していく姿が、移ろいゆく四季とともに描かれている。いち子の幼なじみで親友のキッコが松岡の役どころだ。

 松岡はこれまでの撮影で「雨待ち」のケースをよく経験したそうだが、大自然を相手にする本作の場合、だいぶ勝手が違って頻繁にトリッキーな待ちがあった。「雪待ち、嵐待ち、作物の育ち待ちですかね。雨、風、日差しが強すぎる日もあるんですよ。それらをしのぐ機材にしても、撮影地は山奥にあるから、スタッフの皆さんもそう多くは運べないわけです。撮影自体は過酷そのものでした」

 温かな気持ちになる

 ただ、試写会で本作をみると、撮影の過酷さからは考えられないほど、優美な仕上がりとなっていて驚かされた。「自然の姿が優しく切り取られていて、温かな気持ちにしてくれました。監督たちが私たち以上に岩手県の山奥を愛していたということかもしれませんね。若い女の子でも楽しめる作品になっていると思います」

 やはり「あまちゃん」に出演した橋本とは本作で3度目の共演となる。プライベートでも仲良しだという松岡は「(橋本と共演した映画の)『桐島、部活やめるってよ』と『あまちゃん』ではいずれもいがみ合う関係でした。でも『リトル・フォレスト』では、一緒にふざけたり、笑ったり、縁側でアケビの実を食べたり、アドリブも入れながら、随分と普段の私たちの関係が出ていると思いますよ」と声を弾ませた。8月30日、全国公開。冬・春編は来年2月14日に全国公開される。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:大橋純人/SANKEI EXPRESS

 ■まつおか・まゆ 1995年2月16日、東京都生まれ。2008年「おはスタ」(テレビ東京系)で本格デビュー。映画出演作は、12年「ポテチ」「桐島、部活やめるってよ」「悪の教典」、13年「劇場版 鈴木先生」「絶叫学級」など。待機作に15年「サムライフ」がある。13年にNHK連続テレビ小説「あまちゃん」、NHK木曜時代劇「銀二貫」にヒロイン役で出演。

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