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物事をシンプルに考えれば答えは目の前にある ダラ・バーン監督 映画「ダブリンの時計職人」

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物事をシンプルに考えれば答えは目の前にある ダラ・バーン監督 映画「ダブリンの時計職人」

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映画「ダブリンの時計職人」(ダラ・バーン監督)。3月29日公開(アップリンク提供)  ロンドンで失業した時計職人のフレッド(コルム・ミーニイ)は故郷アイルランドのダブリンに戻ってはみたものの、職もなければ住む家もない。フレッドはぼろい愛車を“マイホーム”に移動生活を送るホームレスとなってしまった。そんなある日、偶然知り合った未亡人のピアノ教師、ジュールス(ミルカ・アフロス)に一目ぼれ。気のいいホームレス仲間の青年、カハル(コリン・モーガン)の後押しもあり、彼女が通っている水泳教室に参加するが…。

 アイルランドのテレビ局でドキュメンタリー番組を制作してきたダラ・バーン監督の長編劇映画デビュー作。いずれの登場人物も、自分の人生にどこか自信が持てず、後悔したり、それでいて何も手を打たないでいる。SANKEI EXPRESSのメール取材に応じた監督は「彼らのような状況になったときに備えて、どんな心構えを持てばいいのか。そこを描きたかった」と説明した。

 車生活を送っている「移動式」ホームレスを描いた理由については、「観客にどこか共感できる部分を残したかった。例えばフレッドが自分のマツダ車のトランクで植物に水を与えたりとかね」と説明した。以前に手がけたホームレスに関するドキュメンタリーがテーマの難しさからか観客に敬遠された苦い過去も踏まえたものだ。

 監督はアイデンティティーの危機をどう乗り切るのだろう。「物事をシンプルに考え、直感を信じること。雑音で本質が見えなくなっているだけで、答えは目の前にあるはずです」。3月29日から全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS

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