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「世界自閉症啓発デー」に向け安倍昭恵さんに聞く(下) その人らしく暮らせる社会を
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世界自閉症啓発デーのシンボルでもある「青色」のろうそくをともす安倍昭恵さん(左)と東ちづるさん(山下元気さん撮影、提供写真)
――字のイメージから、引きこもりだと思っている人も、まだたくさんいます。「自閉症の人は、自分の殻に閉じこもっていて、自分を表現できない」と勘違いしている人もいます。でも、そんなことはなくて、多彩な人たちがいっぱいいるということを伝えていきたいんです
「子供の頃から、一緒に生活していることが大事だと思うんです。子供の方が自然に付き合い方を学んでいきます。『この子は、大きい声を出すと、“わー”となるから小さい声で話した方がいいんだろうな』とか、『説明するときは、ものを見せて教えてあげる方がわかりやすいみたい』とか、生活の中から自然にわかるようになっていく」
――私たちが自閉症啓発デーの活動に取り組むのは、日本が変わるきっかけをつくりたいから。欧米の空港に行くと、まず驚くんです。車いすの人もいれば、酸素ボンベを背負った人もいる。多様な人たちがいることの方が自然で、それが誰もが住みやすい世の中なんじゃないかなと
「日本の社会は、まだそこまで成熟していませんね。自閉症の人がかわいそうだから支援するのではなくて、特性に合わせて、お付き合いをすることで、暮らしやすくなるというふうにとらえられればいいのかなって思っています」
《東ちづる「イベント通し楽しく多様性広めたい」》
毎週水曜日、私、東ちづるが理事長を務める一般社団法人「Get in touch」が、「まぜこぜエクスプレス(EX)」として、このページを担当してまいります。
私たちは、“まぜこぜの社会”を目指して活動しています。まぜこぜとは、「ダイバーシティ(多様性)」を表しています。この言葉や「みんな違ってみんないい」という考え方は浸透しつつありますが、実際にはまだまだ厳しい現実があります。例えば、東日本大震災の避難所で、自閉症といった特性のある人や、目や耳の不自由な人、車いすの人、セクシュアルマイノリティーの人など、普段から生きづらさを抱えている人が、追いやられたり遠慮しなければならなかったりするということがありました。社会が不安に陥った時、ますます追い詰められてしまう人がいる。そんなのはおかしい。けれども、「正しい知識を」とか「理解してください」と言うだけでは、関心のない人にはなかなか届かないというジレンマがありました。
大切なのは、「知識や理解がなくても、誰も排除しない、排除されない社会」であることです。そのことを講演やシンポジウムなどで訴えようとしても、すでに問題意識を持っている人しか集めることができません。そこで、私たちはワクワクするイベントなどを開催し、その空間や時間を色とりどりな人たちとシェアしながら一緒に社会を成熟させたい!と考え、爆走中です。
「まぜこぜエクスプレス」では、色とりどりの人や物、情報をまぜこぜにご紹介しながら読者の皆さんと楽しんでいきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。(構成:EX編集部/SANKEI EXPRESS)
■Get in touch 東ちづるが理事長をつとめる一般社団法人。誰もが自分らしく暮らせる「まぜこぜの社会」の実現をコンセプトに2011年より活動している。