【軍事情勢】中国が“自滅”を避けられぬワケ 増殖し続ける「害」
更新実際、日本はベトナムに経済支援を実施→ベトナムはロシアから潜水艦を購入→同型潜水艦を運用するインド海軍が、越海軍乗員を訓練する-互いに意図しなかった構図を生んだ。一時後退していた米比の軍事関係も、元に戻り始めた。戦略的協力への進展度合が遅く、どこかもどかしい米印関係も、牛歩ながら前進している。全て中国の脅威の“お陰”だ。
自国のパワー増大がもたらす、反中包囲網によるパワーの減退という皮肉=逆説的な状況の回避には「軍の拡大を遅らせる」以外にない。ところが、中国は他国への挑発的大戦略を止められない。なぜか-
まず、中華思想に魅入られた中国に「対等」という感覚はない。冊封体制や朝貢外交に代表される「上下関係」が全てだ。しかも、2500年以上前の春秋戦国時代に著されたとされる《孫子の兵法》にもあるように、陰謀や騙し合いを当然のごとく繰り返してきた。漢民族は狡猾な策略こそが知恵だと信じて疑わず、欧米や日本などは権謀術数によって操れ、優位に立てると過剰なまでに確信する。