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【ソチ五輪】「母親代表」戻ってきた夢舞台 カーリング小笠原、堂々の先導

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【ソチ五輪】「母親代表」戻ってきた夢舞台 カーリング小笠原、堂々の先導

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ソチ冬季五輪開会式で入場行進する日本選手団。先頭の旗手は“カーリングママ”小笠原歩(あゆみ)が務め、主将の葛西紀明(前列左端)らが続いた=2014年2月7日、ロシアソチ(大里直也撮影)  第22回冬季五輪ソチ大会の開会式が2月7日夜(日本時間8日未明)、ロシア南部ソチのフィシュト五輪スタジアムで行われ、黒海に臨む五輪公園に聖火がともった。純白のコートに身を包み、にこやかに入場行進した日本選手団を旗手として先導したのは、母となり、8年ぶりに五輪の舞台に立ったカーリングの小笠原歩(あゆみ、35)=北海道銀行=だった。大役を務めた小笠原は「『戻ってきたぞ』と感じた。降り注ぐ歓声を受け、一歩一歩感動をかみしめて歩いた」とコメント。出産、厳しい練習と育児を経て「肝がすわった」ベテランは、日本の選手たちを文字通り背中で引っ張る。

 ベテラン選手に刺激

 今年1月のスコットランド合宿。小笠原は早朝に鳴り響いた電話に目を覚ますと、朗報に耳を疑った。世界記録保持者でもない、メダリストでもない自分が旗手に-。大役に迷いもあった。「私一人で決めた。母親として頑張る姿を見せてほしい」。橋本聖子団長(49)のこの言葉ですべてが吹き飛んだ。「働く母親や同世代の女性の代表であるという気持ちも持って、ソチオリンピックを戦いたい」。秘めた決意は固かった。

 小笠原は2大会連続出場となった2006年のトリノ五輪を一区切りとして競技生活から離れた。06年に結婚し、09年に男児を出産。現役に戻りたい思いを抑え、子育てに専念してきた傍らで目にしたのが、10年のバンクーバー五輪決勝戦だった。

 テレビを前に感情がはじけた。優勝したスウェーデンのスキップ、ノルベリは43歳(当時)のママさん選手。相手カナダのスキップも43歳。年齢を重ね、母となっても一線で活躍する選手の存在に、復帰へと傾いた。

 11年4月に、船山弓枝(35)らと「北海道銀行フォルティウス」を結成。この3年は競技と家事を両立させてきたが、疲れて「もう駄目」とベッドに倒れ込む日もあった。それでも「自分で両方頑張ると決めたんだから、手を抜いちゃいけない」と思い、ぱっと起き上がった。

 多士済々の顔触れ

 遠征中、北海道北見市の実家に預けている4歳の長男は、テレビに母が映ると会いたくて泣き出すこともある。小笠原は「(長男に)夢に向かう姿を見せ、ママでもやれると証明したい。今はいい結果を残すだけ」と、熱い思いを氷上にぶつける。

 入場行進で小笠原のすぐ後ろに続いたのが、冬季最多7度目の五輪出場で主将を任されたスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(41)=土屋ホーム=だ。葛西は「これまで開会式は1回しか出たことがなかったが、久しぶりで気持ちが入った。調子も良いので金メダルを狙いたい」と、力強く言い切った。10代のホープが目立つ一方で、中年のベテラン選手も頑張る日本選手団。橋本団長は多士済々の顔触れに「年代、男女の壁を越えて重層的に団結できる。勇猛果敢に攻めてほしい」と激励した。(SANKEI EXPRESS (動画))

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