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「あの小さな女の子が…」ケネディ大使に歓声

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「あの小さな女の子が…」ケネディ大使に歓声

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信任状捧呈(ほうてい)式を終え、皇居を後にするキャロライン・ケネディ新駐日米大使を乗せた馬車=11月19日、東京都千代田区の和田倉門交差点(鴨川一也撮影)  キャロライン・ケネディ駐日米大使(55)が11月19日、皇居・宮殿「松の間」で天皇陛下にオバマ大統領からの信任状を手渡す「信任状捧呈(ほうてい)式」に臨み、正式に大使としての活動を始めた。式を終えたケネディ大使は「この儀式をもってわたしの大使としての仕事が始まる。母国を代表することができて大変光栄に思う」と語った。

 華麗な馬車で皇居に

 50年前の1963年11月22日、46歳で暗殺されたジョン・F・ケネディ元米大統領の長女で、日本になじみも深い大使が乗る華麗な馬車列を一目見ようと、沿道は大勢の人で埋め尽くされ、歓迎ムードに包まれた。

 宮内庁差し回しの2頭立て儀装(ぎそう)馬車の発着場所となった東京・丸の内の明治生命館前。午後3時すぎに、濃いグレーのワンピースにパールのネックレス、黒のハイヒール姿でケネディ大使が現れると、沿道から「キャロライーン!」「ウエルカーム!」などと声があがった。

 儀装馬車に乗った大使は、窓越しに手を振って沿道から上がる歓声に応えた。馬車は皇居前広場を経由する約1キロのコースを通って正門から皇居に入り、宮殿の表玄関「南車寄」に到着。宮殿で最も格式の高い松の間で行われた約15分の信任状捧呈式に臨んだ。陛下は大使と握手し、声をかけられたという。式を終えた大使は、再び馬車に乗って皇居前広場の北側を通る約1.7キロのコースで明治生命館に戻った。

 信任状捧呈式「光栄」

 信任状捧呈式は、新たに日本に赴任した外国大使が天皇陛下に会見し、自国の元首から託された信任状を渡す儀式で、これを終えて大使に正式就任する。憲法が定める天皇陛下の国事行為の一つになっている。

 宮内庁は大使の送迎に車と馬車のいずれかを用意しているが、ほとんどの大使が馬車を希望する。馬車での大使送迎は世界でも英国やスペインなど数カ国という。

 洋装の特別服に身を包んだ御者が操る馬車は、漆塗りのえんじ色で、昭和初期ごろまでに当時の宮内省で造られた。馬は栃木県にある御料牧場で育てられ、現在33頭。騒がしい都心を落ち着いて歩く必要があり、5歳以上の馬が務めるという。

 沿道で見守っていた川崎市の主婦、豊島美奈子さん(65)は「大統領の葬儀のニュース映像に映っていた小さな女の子の姿を思い出す。こんなに立派に成長したとは。両国関係をさらに深めてほしい」と、感慨深げに話した。(SANKEI EXPRESS

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