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Twitter上場 公開価格7割上回る

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Twitter上場 公開価格7割上回る

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 短文投稿サイト運営の米ツイッターは11月7日、ニューヨーク証券取引所に株式を新規上場し、45.10ドル(約4400円)で初値をつけた。急成長が続くとの期待から株価は好調に推移し、公開価格(26ドル)を73%上回る44.90ドルで初日の取引を終えた。

 昨年5月上場の交流サイト最大手フェイスブックが公開価格とほぼ横ばいの0.6%高で初日を終えたのと比べ、対照的な出だしとなった。

 ツイッター株には朝方から買い注文が殺到。株価は一時、公開価格の約2倍となる50.09ドルまで上昇する場面もあり、1日の売買数は1億株余りに膨らんだ。

 米メディアによると、ツイッターの時価総額は250億ドル(約2兆4500億円)規模となり、日本企業ではパナソニックや三井物産に匹敵する。調達した18億2000万ドル(約1800億円)は企業買収などの事業拡大に使う方針だ。

 ツイッターは当初7000万株を発行し、投資家の需要に応じ追加で1050万株を売り出す。資金調達額は最大約21億ドルに膨らむ可能性がある。

 この日、上場に立ち会ったディック・コストロ最高経営責任者(CEO)は米テレビに「ツイッターを世界中の人が使える価値あるサービスにしたい」と述べた。(ニューヨーク 共同/SANKEI EXPRESS

 ≪米ITベンチャー活況 「金の卵」を探せ≫

 米国でIT(情報技術)ベンチャー企業の新規株式公開(IPO)が活況を呈している。業容拡大を目指す動きやベンチャー投資家による活発な資金流入が背景で、交流サイト(SNS)から商取引、金融、教育など業種の裾野も広がる。7日に上場したツイッターに続く「上場予備軍」の発掘にメディアや市場関係者は躍起だ。

 ピンタレストに脚光

 近い将来の上場が想定され、「第2のツイッター」との呼び声が高いのが画像共有サイトのピンタレストだ。文字と画像の違いこそあれツイッターともサービスの共通点が多く、約7000万人のユーザーを抱え、楽天も出資している。米金融市場ニュースサイトのミニアンヴィル・コムは「話題性や成長の速さでも次代を担うソーシャルメディア」と高い評価を与える。

 市場が拡大するクラウド関連ではドロップボックスやボックスの評判が高く、法人向けのボックスは18万社以上がサービスを利用する。電子決済サービスのスクエアも携帯情報端末の普及を追い風に業績を伸ばし、日本など海外戦略も加速していて、来年中に上場との観測が出ている。

 ほかにも、インターネット上での融資仲介サービスを手がけるレンディングクラブは2014年中の上場が取り沙汰され、ネット通販のズーリリーや教材レンタルのチェッグなど生活密着型のサービスを展開する企業が、業容拡大に向けた資金調達のため、近い将来の上場を見据えている。

 群がる投資家

 トムソン・ロイターによると、ベンチャーキャピタル(VC)が投資する企業の株式公開は7~9月期は26社に達し、そのうち9社をITが占めた。

 フェイスブックなどIT銘柄が全般に低迷していた昨年は様子見を決め込むVCが目立ったが、「市場の地合いが持ち直し、守りから攻めに転じる好機」(ファンド関係者)とみて、再び「金の卵」を生む投資先を物色する動きが再び盛んだ。ピンタレストには、有力VCのアンドリーセン・ホロウィッツが出資している。

 時価総額最大のアップルやマイクロソフト(MS)など老舗格のIT企業が市場で存在感をみせ、フェイスブックやツイッターなど新興勢力も上場をステップとして事業を拡大していることも、後に続くベンチャーに安心感を与えているようだ。米紙ウォールストリート・ジャーナルは1990年代後半のITバブルと比べて、「最近上場する企業はより成熟し、経営者も経験豊かだ」と指摘する。

 日本でも電子書籍配信のメディアドゥが今年上場予定で、スマホ向け無料通話のLINEも上場が取り沙汰されるなど、個人投資家に人気のIT銘柄のIPO機運が高まりつつある。(ワシントン 柿内公輔/SANKEI EXPRESS

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