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2度の4回転成功 町田圧勝 スケートアメリカ
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フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦、スケートアメリカ第2日は10月19日、米デトロイトで行われ、男子はショートプログラム(SP)首位の23歳、町田樹(関大)がフリーでもトップの174.20点を出し、世界歴代5位の合計265.38点で昨季の中国杯に続くGP2勝目を挙げた。フリーで2度の4回転トーループを決め、圧勝した。
2位はアダム・リッポン(米国)で合計241.24点。SPで5位と出遅れた昨季のGPファイナル王者の高橋大輔(関大大学院)が236.21点で4位、小塚崇彦(トヨタ自動車)が230.95点で6位だった。
女子SPでは浅田真央(中京大)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決め、73.18点で首位。アシュリー・ワグナー(米国)が69.26点で2位、14歳のエレーナ・ラディオノワ(ロシア)が67.01点で3位につけた。
アイスダンスではキャシー・リード、クリス・リード組(木下ク)が合計136.13点で5位。メリル・デービス、チャーリー・ホワイト組(米国)が188.23点で優勝した。
≪昨季失速の雪辱期し 五輪代表候補に名乗り≫
大きなミス無く「火の鳥」を演じた町田の表情は自信に満ちていた。
前日のSPに続いてフリーでも自己ベストを大幅に更新。30点近く伸ばした総合得点は世界歴代5位の265.38点をマークした。大会前に掲げた255点をも飛び越え、「内心では260点が目標だった。達成できて幸せ」とうれしそうに話した。
冒頭で2本跳んだ4回転をいずれも決めた。昨季のプログラムではフリーで1本だけだった4回転が、今季はSPと合わせて計3本。しかも、GP初戦からいきなりすべて成功させた。この日は、公式練習で靴のフックが外れるアクシデントに見舞われて感覚が微妙に狂ったが、それでも本番でまとめる調整力が今季の強さの要因だ。
昨季はGPの中国杯で初優勝し、ファイナルにも初めて進出。飛躍の兆しを見せたが、好調を持続できずに12月の全日本選手権は9位。「もう一度、ゼロからのスタート」と雪辱を期した五輪シーズンだった。
今春、練習拠点を米国から3年ぶりに日本に戻し、大阪のリンクで基礎から作り直した。大西勝敬コーチに指導を仰ぎ、体の軸をまっすぐにして跳ぶことを繰り返した。回転を加えず跳び上がるだけの単調なメニューに忍耐強く取り組んだのは、昨季の悔しさを晴らすためだ。
激しい代表争いが予想される日本男子。成長著しい23歳が候補に名乗りを上げた。(田中充/SANKEI EXPRESS)