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大学生の「新聞離れ」事情 不便、かっこ悪い…スマホやSNSで十分
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新聞から情報を得る学生は少数派。ほとんどの学生がスマートフォンで情報を得ている=2013(平成25)年7月16日(関西大学_谷本奈穂ゼミ_有志学生記者撮影)
大学生が「新聞」を読まなくなったといわれるようになって久しい。ニュースの閲覧や検索がより便利になったスマートフォンや情報を共有できる交流サイトの急速な普及で、大学生の「新聞離れ」は一段と加速しているようだ。関西大学総合情報学部・谷本奈穂ゼミの有志学生記者たちが、大学生の新聞離れをめぐる最新事情をアンケートに基づきリポートする。
□今週のリポーター:関西大学 谷本奈穂ゼミ 有志学生記者
(2013(平成25)年)6月28日~7月10日に、大学生を対象とした新聞に関するアンケートを行い、男子69人、女子74人の計143人から回答を得た。
「毎日読む人」は、26人(18%)だったのに対し、「読まない人」は、117人(82%)にも上った。8割以上の学生が新聞を読んでいないのである。
「新聞を読まない人」に、その理由を記述してもらった。最も多かったのは、「新聞をとっていない」。このうち下宿をしている学生は、ほぼ全員が新聞をとっていなかった。次に多かった理由が、「新聞を読む時間がない」だった。
その他の理由では、「字が小さい」「字が多い」「内容が難しい」などが並び、新聞にあまり良いイメージを持っていない学生も多かった。さらに「新聞を読む習慣がない」「興味がない」と、そもそも新聞を読まなくてもよいと考えている学生も少なくなかった。
少数意見だが、「新聞を持ち歩くのに抵抗を感じる」「電車の中で読むのはオッサン臭い」などと、新聞に“かっこ悪い”イメージを抱いている人がいることもわかった。
新聞が読まれなくなった原因としてかねてインターネットの普及が挙げられてきたが、スマートフォンやSNSを通じた情報の収集により、若者を中心とした新聞離れがますます加速していると考えられる。
アンケートでも、「インターネットやSNSのニュースで十分に自分の知りたい情報を収集できる」という声があった。さらに、「新聞だと自分の知りたい情報がすぐに見つからない」「携帯やスマートフォンだと時間や場所にかかわらず情報を簡単に得ることができる」という意見も多く聞かれた。
新聞などの紙媒体に比べ、スマートフォンやタブレット端末の方が、使いやすいと考えているようだ。実際、電車の中で、新聞を読んでいる人の姿はめっきり見かけなくなり、スマートフォンを使っている人が圧倒的に多い。
若者を中心に、新聞などの紙媒体から情報を得るよりも、インターネットを通じて情報を収集する人が着実に増えている。
新聞を毎日読まない学生からは、「お金がかかるから」「わざわざ買うのがもったいない」という声も聞かれた。
携帯やスマホは学生の必需品であり、家にパソコンがないという学生も珍しい。ニュースを見るためにわざわざ新聞を買う必要がないと考えている学生が多くいることが分かった。
ただ、ネットでニュースを見るのが、無料なのかというと、決してそうではない。携帯やスマホの購入には契約料が必要だし、ネットに接続するにも、通信料がかかる。
携帯やスマホには、さまざまな便利な機能が備わっている。ニュース閲覧も、その一つにすぎず、「ついでにニュースを見られるのだから新聞はいらない」と、今の学生は考えているのである。
肌身離さず持ち歩いている端末で、場所や時間を選ばず、自分に必要なニュースや情報を探し出して入手できる。利便性、即応性、携帯性、スマートさ…。あらゆる面で新聞は携帯やスマホに比べ不利で、厳しい状況におかれていることが、調査から浮かび上がってきた。(今週のリポーター:関西大学 谷本奈穂ゼミ 有志学生記者/SANKEI EXPRESS)
関西大学 谷本奈穂ゼミ 有志学生記者
取材:織田裕介、政時祐貴、久安竜央、横幕恭平、塩瀬真由子、安藤日香里
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