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「老後2000万円」でも心もとない 資産形成は準備期間で“戦略”を練る

高橋成壽
高橋成壽

2000万円を計画的に用意すべき

 「老後2000万円問題」の本質がどうやら見えてきた。いざとなれば預貯金を取り崩せばなんとかなる水準とはいえ、それは安心な老後生活とは程遠いでしょうというわけだ。

 できれば預貯金に手をつけず、年金収支の不足額(2000万円)を計画的に準備したい。

 2000万円というと大きすぎて準備できないと考える人もいるだろう。しかし、いきなり2000万円ではなく、20年で2000万円、40年で2000万円準備すると考えれば、それぞれ年間100万円、年間50万円の準備で済むことになる。これは月々8.5万円、月々4.2万円で足りる計算だ。

 積立てだけでなく、投資の成果も加味すれば、積立金額はより少なくて済む。もしかすると、毎月8.5万円の積立が必要であったとしても、投資の成果が見込めれば、準備額は毎月7万円や5万円程度で済むかもしれない。もちろん、投資に失敗することもあり、その場合は8.5万円以上積み立てる必要があるかもしれない。

 なお、筆者が相談を受ける場合、収入だけでなく、現在の支出レベルをもとに、家計シミュレーションを実施する。すると、95歳までの不足資金は2000万円どころではなく、3000万円~4000万円になることもある。4000万円を超えてしまうこともある。筆者の感覚では、レポートは最低限の準備資金を示しており、実際にはより多くの準備が必要であることは、筆者の経験上間違いないと言える。

 では、具体的な老後資金対策と注意点をみてみたい。

 老後資金対策は就労期間の延長、節約を検討される人が多いが、3割の人は若いうちからの資産形成を念頭にいれている。一方で、老後資金の準備に株式、債券、投資信託などの証券投資を候補として割合は2割に満たなかった。実際に投資を実行している割合はさらに低くなるだろう。

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