南伊豆に新形「姥捨山」 杉並区が企てる特養ホームに怒りの告発
配信元:PRESIDENT Online 更新まず、平均気温だ。気象庁HP記載の気象データによれば、南伊豆(石廊崎)の過去3年の平均気温は16.9℃で、記載に誤りはない。しかし、東京の平均気温は16.4℃だ。南伊豆が特別暖かい地域ではなく、平均湿度が77%と高いことでむしろ東京より過ごしにくい環境になっている恐れがある。また、南伊豆の「豊かな自然」と聞いて、海を思い浮かべる人は多い。しかし、施設は山奥にあり、施設から海は見えない。要介護度が高い入所者は寝たきりで、海の見えるところまで連れて行ってもらうのは大変だろう。区の担当者は「名物の桜が咲く」と強弁するが、杉並にも桜は咲いている。人生の最終盤になって、自分が毎年見てきた桜より、遠方の「名物の桜」がいいとする感性に違和感を抱かざるを得ない。
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南伊豆に「新鮮な魚介類」が存在しているのは確かだ。しかし、入所者が食べるのは誤嚥性肺炎を防ぐため、ペースト状の食べ物であったり、そもそも「胃ろう管理」で口から栄養を補給できない状態であったりするケースが多い。新鮮な魚介類が食べられるから、自分の家族を南伊豆特養へ送ると幸せになれるというのは、全く事実ではないのだ。南伊豆の自然や食を、入所者が満喫できると考えるのは、健常者の想像力の欠如である。わかっていてそれをアピールしているのであれば、杉並の広報誌は言語道断のミスリードを行っていることになる。