ネット販売のED治療薬「4割はニセ物」 ゴミ溜めで製造、インクで着色… 死の危険性も
更新またファイザーの調査によると、中国の偽造品製造現場の1つはゴミが散乱する不衛生な場所だった。製造過程でプリンターのインクを混ぜて正規品の色に似せていた作業場も確認したという。同社は「流通経路での品質管理にも問題がある」とも指摘し、ホームページで現場の写真を公開するなどしている。
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死の危険性も
偽造品が蔓延する背景には、ED治療薬の市場拡大への期待がある。バイアグラの全世界での2015年の売上高は17億800万ドル(前年比1%増)。日本国内の動向についてファイザーの広報担当者は「シニア層となる『団塊の世代』はライフスタイルも若々しく、市場はこれからも広がる可能性がある」と話す。
偽造品には、正規品の1・5倍の有効成分を含んでいるものや、一方で、ほとんど有効成分が含まれていないものもあるとされる。有効成分が多すぎると、頭痛やほてり、胃腸不良などの副作用が強く出る可能性もあるという。
実際、各社の相談窓口にはネット購入した治療薬の服用者から「胸を圧迫されるような感じがし、首や背中に鈍痛が走るようになった」「服用を続けていたところ健康診断で不整脈が出た」などの相談が寄せられている。
昭和大学藤が丘病院泌尿器科の佐々木春明教授は「これまで見つかった偽造品には、血糖降下剤を含むものもあった。糖尿病ではない人が服用して、低血糖による意識障害や死につながった事例も海外で報告されている」と指摘する。