SankeiBiz for mobile

日焼け止めで「紫外線対策」 効果出すために正しく使うことが大切

ニュースカテゴリ:暮らしの健康

日焼け止めで「紫外線対策」 効果出すために正しく使うことが大切

更新

 シミやたるみの原因となる紫外線。5月は既に真夏並みの紫外線量だ。手軽な対策として日焼け止めはよく使われているが、効果を出すには正しく使うことが大切。資生堂リサーチセンターサンケア製品開発グループの原田太一さんに聞いた。(油原聡子)

 既に真夏並み

 原田さんは「5月は気温が低いので紫外線も強くないと思ってしまいますが、実は真夏並みの量なんです」と話す。紫外線量は雨の日でも晴れの日の2割、曇りの日だと6、7割もある。

 紫外線は波長の長さによって、UV-A、UV-B、UV-Cの3種類に分けられる。このうち、地表に届き、対策が必要なのがUV-AとUV-Bだ。

 UV-Aは、皮膚の奥、真皮にまで到達し、肌のハリや弾力を保つコラーゲン、コラーゲンをつなぐ繊維「エラスチン」にダメージを与える。長時間をかけてハリを失わせ、しわやたるみの原因となる。一方、主に表皮にダメージを与えるのがUV-B。短時間で赤みや炎症を引き起こす。原田さんは「UV-AもUV-Bもシミを作るメラノサイトに影響を与えます。肌の老化は加齢に加え、紫外線ダメージによる『光老化』も組み合わさって進行します」。

 市販されている日焼け止めには効果を表す「SPF」や「PA」という表示がされている。

 SPFは、UV-Bから肌を守る効果を表す指標。指標の数値が高いほど効果が高い。日本では50が最大で、50より効果が高い商品には「SPF50+」と表示される。「真夏では、何もしないと肌が焼けて色が変わり始めるまでに15~20分かかります。SPFは、肌が焼け始めるまでの時間が、何もしないでいる状態より何倍に延ばすかを表します」(原田さん)。ただ、効果はあくまで目安。汗で流れてしまうこともあれば、皮脂や手でこすって落ちてしまうこともある。原田さんは「効果を保つには2、3時間おきに塗り直すのがおすすめです」。

 シーンに応じて

 日常生活や通勤ならSPF30、外勤の人やアウトドアの場合にはSPF50がいいという。

 一方、PAはUV-Aを防ぐ効果を表す指標。「+」の数が多いほど効果が高く、4段階で示される。ただ、同じSPFの商品でも、紫外線防御力が低下しないような技術の有無など処方の差で効果が違ってくる。原田さんは「汗をかいたり、水に入ったりするかなど生活シーンに応じて選んで。スポーツをする場合には耐水性のあるものを」とアドバイスする。日焼け止めの効果をしっかり出すためには正しく使うことが大切だ。髪の生え際や眉間など塗り残しがちな部分も忘れずに塗る。足は塗りむらになりやすいため、サンダルを履くときは注意する。

 紫外線を浴びるのは屋外だけではない。窓際やタクシー、運転中なども意外と浴びているという。「日焼け止めだけでなく、日傘や帽子、サングラスなど自分に合った手段を併用すると、より安心です」と原田さんは話している。

ランキング