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メール・SNSとは違う、社会人の常識 「電話」「名刺交換」の習得を

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

メール・SNSとは違う、社会人の常識 「電話」「名刺交換」の習得を

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 新年度を迎え、新たに社会の一員となった新入社員。学生時代とは違う生活に戸惑うことも多い中、ビジネスマナーの習得も大きな課題となる。所属する会社などを代表するという責任も生まれるため、最低限のマナーは守りたい。業務上避けられない「電話応対」と「名刺交換」について押さえておくべき点は何か、専門家に聞いた。(佐々木詩)

避けては通れない「名刺」「電話」

 大阪市中央区の大阪商工会議所で今月2日、「新入社員基礎講座」が開催された。市内などの企業から274人が参加、講師の指導のもと、真剣な表情であいさつの仕方から、電話応対、名刺交換の仕方などを練習した。同商工会議所研修担当課長の松井伊代子さんは「入社したタイミングでビジネスマナーを習得してもらおうと、毎年この時期は新入社員向けのマナー研修が多く開催されます」と話す。

 身だしなみや言葉遣いなど、ある程度社会人としての心得を身につけたとしても、緊張してしまうのが、電話応対と名刺交換だ。

 「この2つは仕事に就けば避けては通れないもの。初めはみなさん緊張します」と新入社員のマナーセミナーなどを行っているNPO法人「日本サービスマナー協会大阪本部」(大阪市中央区)のプロフェッショナルマナー講師、岩崎智子さんは言う。

メモと復唱必須

 特に最近はメールなどで用件を済ませることが多く、電話が苦手という学生は多い。そこで同協会が電話を受ける際の心得として挙げているのが次の10項目だ。

 コールが鳴ったらすぐ出る▽第一声を明るく、さわやかに▽企業名・名前を明るく名乗る▽感情をこめて丁寧に対応する▽客の話をしっかりと聞く▽ゆっくりと聞きとりやすい声で話す▽正しい言葉遣いではっきり簡潔に話す▽あいまいな表現に気をつける▽無駄なことは話さない▽必ずメモをとる。

 電話を切る際は、依頼したことや約束したことを復唱し不明な点がないか確認、もう一度自分の名前を名乗り、電話をもらった感謝の気持ちを言葉で伝える。切る際は客側が切ったことを確認してから切るようにする。

会社の印象直結

 もうひとつの難関、名刺交換は、「スムーズに、かつ失礼にならないよう渡すことを心がけてください」。名刺は自分だけではなく、会社の印象も決める大切な物。名刺入れの名刺が切れていないか、汚れていないかは日々チェックしておく。名刺交換する際には立ったままで互いの間に机などの障害物がない場所を選ぶ。その際、訪問した側もしくは目下の者から名乗り、名刺を渡すこと。名刺は胸の位置で持つように心がけ、着席後は一般的に机の左側に相手の席順に合わせて置いておき、話が終わるころを見計らって名刺入れに収める。

 難しそうなビジネスマナー。だが、大切なのは、マニュアルを覚えることだけではない。

 「若い世代はマナーを勉強されている方もたくさんいますが、マニュアルを求めすぎるところがあるようです」と岩崎さん。マナーは不快感を与えないためのもの。臨機応変に変えていく必要もある。加えて、心がこもっていないと意味がない。

 「SNSなどにより、対面で人と接する機会が減ったからか、働き出して『お客さまと会話が続かない』『目を見て話ができない』という悩みをよく聞きます。コミュニケーション能力を磨いてほしい」

 趣味のサークルや習い事など、会社以外の場で人と接する機会を持つことも役に立つ。「会話を交わす回数を増やすことで慣れてくる。それを会社で反映させてほしい」と岩崎さんは話している。

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