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トヨタと日立、6年ぶりベア実施へ 大手中心に賃上げ弾み

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

トヨタと日立、6年ぶりベア実施へ 大手中心に賃上げ弾み

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 2014年春闘相場をリードするトヨタ自動車と日立製作所が、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を6年ぶりに実施する方針を固めたことが20日分かった。日本経済のデフレからの脱却には従業員の賃金底上げにつながるベア実施が欠かせないと判断した。自動車、電機を代表する2社がベア実施に踏み切ることで、業績好調な大手企業を中心に賃上げの動きに弾みが付きそうだ。

 このほか、鉄鋼・造船重機では新日鉄住金や三菱重工業に注目が集まる。経営側は「ベア実施に踏み込める状況にはない」(三菱重工幹部)など、労務費の固定的な負担増に伴う国際競争力低下の懸念が強いが、トヨタと日立のベア実施で組合側に追い風が吹く可能性が強い。

 トヨタ自動車労働組合は組合員平均で月4000円のベアを要求。19日に開いた初の労使交渉で、経営側はベア要求額について、「たいへん高い水準」との考えを示している。経営側は08年春闘で妥結した1000円を目安に、上積みできるかを慎重に検討する。月給の6.8カ月分の年間一時金(ボーナス)に対し、経営側は満額回答する見通しが強まっている。

 ベア、定期昇給に相当する賃金カーブ維持分、一時金が満額回答だった場合、組合員の年収は前年比8.3%増と1977年以来の高い伸び。ベアと定昇を満額回答すると、企業としての負担は、年間150億~200億円増える。

 一方、日立製作所は、今期の連結営業利益が5100億円と、23年ぶりに過去最高益を更新する見通し。好業績を受け、6年ぶりの賃金改善を実施する方針。組合側は月4000円の賃金改善を要求している。

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