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汚染水漏洩 発覚前、配管弁「開」に、隠蔽の可能性も 福島第1原発
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当初、東京電力が「閉」になっていたため故障と説明していた弁。漏洩直前に撮影された写真では、レバーが押し上げられ「開」となっている=19日午前(東電提供) 東京電力福島第1原発で地上タンクから約100トンの高濃度汚染水が漏れた問題で東電は21日、閉まっていたと説明していたタンクにつながる配管の弁が、漏洩(ろうえい)当時に開いていた可能性が高いことを明らかにした。
東電は「故障の可能性は低い」とし、人為ミスの疑いが強まった。漏洩後、何者かが弁を戻しミスを隠蔽(いんぺい)した可能性もある。
東電によると、汚染水が漏れた「H6」タンク群で、漏洩前の19日午前11時ごろに別の目的で偶然撮影された写真から、弁が開いている状態だったことが判明。漏洩発覚後に作業員が弁を確認すると閉まっていたという。
タンクにつながる配管には3つの弁があり、3つとも開いているとタンクに移送される。そのため、東電は20日の記者会見で「弁の故障の可能性がある」と説明していた。
汚染水は、本来「E」タンク群に移送する予定だった。Eのタンク水位計を確認すると、流量を増やしても水位が増えない期間があり、東電はこの期間は弁が開き、EからH6に流れていたとみている。
配管の弁を操作する予定はなく、東電は「なぜ開いていて、その後閉められたのか理由はわからない」としている。