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検温時のストレス解消へ…IT支援ベンチャーが「非接触型」検温装置を開発した理由

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 なるべく対面せず、できるだけ触らない-。新型コロナウイルス感染防止対策の基本だ。レストランや学校、投票所に至るまで今やあらゆる場所に非接触型の検温装置が設置されている。サーモカメラの前に立って「ピッ」と検温、消毒液スタンドに手をかざして「シュッ」とスプレーする習慣は、新型コロナウイルス禍がもたらした“ニューノーマル”(新常態)だろう。企業向けIT支援に取り組むベンチャー企業が安価な体温検知装置を開発するなど、「非接触」への需要の高まりとともに技術も進歩しているようだ。

 “小型化”成功で価格も安く

 「カメラではなくセンサーのみ搭載している。立ち止まって顔を合わせるといった特別な動作は必要ない」。非接触型の検温装置「サーモゲート零-ZERO-」を開発したぺブルコーポレーションの経営企画部ゼネラルマネージャー、江原あすかさんがこう力を込める。

 主流となっているサーモカメラタイプの検温装置に比べ、オムロン製の赤外線センサーを使用することで小型化に成功。価格も2万9800円(税別)と、サーモカメラタイプの装置よりも大幅に抑えることができたという。

 検温装置は高さ11センチ、幅8.5センチのスマートフォンサイズ。0.5秒で体温を検知し、37.5度以上だった場合に「ピピッ」とアラーム音が鳴り、通常は青色の本体のランプが赤く点灯し知らせる仕組み。本体に内蔵されている強力磁石や両面テープを使って店舗やオフィスの出入り口にかんたんに設置できるのが特徴だ。

 江原さんは「電池やUSB給電での使用が可能なため、電源工事が不要。日常で何度も開け閉めするドアに設置すれば、通る度にストレスなく検温できる」とアピールする。大手企業や商業施設、医療機関のほか、陸上自衛隊や大阪府警、千葉県庁などでも導入され、4000例以上の実績があるという。センサーしか搭載されていないことから、プライバシーの観点でカメラによる顔認証に不安を感じる公共施設でも多く活用されているようだ。

 だが、同社は企業向けのIT支援に取り組むベンチャー。なぜ非接触型の検温装置を開発したのか。その理由はエンジニアの技術を生かした社会貢献だ。江原さんは「AI(人工知能)技術や最新テクノロジー開発のスキルを生かして世に役立つサービスを展開したいと考えており、この製品もその一つとして、所属エンジニアが開発した」と明かす。

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