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都道府県の魅力度って何? 法的措置、言論の自由の否定…ランキングめぐる舌戦の行方は

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 一喜一憂する必要なし

 魅力-。つまり、人の心を惹(ひ)きつける力というのは、どのように順位付けしているのか。ブランド総合研究所によると魅力度の調査では、提示した地域名に「どの程度魅力的に思うか」を質問し、「とても魅力的」から「まったく魅力的でない」までの5段階評価で回答。そのうち「とても魅力的」「やや魅力的」などと回答した人の割合のみを反映し、それぞれ選択肢に付与した点数を加重平均しているという。

 ランキング調査に自治体から異論が噴出していることに、田中社長は「事実を発表している。調査の精度はより高くなっている。魅力度が低い原因をぜひ(自分たちで)分析してもらいたい」と苦言を呈する。ランキングの結果が、地元の魅力を有効に活用できていないことの証左なのであれば、その事実に目を向けず「指標がおかしい」と異を唱えるのは、確かに「お門違い」かもしれない。

 回答結果は年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、日本の縮図になるように年齢や地域人口の分布にあわせて再集計。地域のブランド力を消費者が各地域に抱く「魅力」で数値化し、その魅力がどのような側面から評価されているのか、観光意欲や居住意欲、産品購入意欲など他の項目結果から分析できるように設計しているとされるが、「どの程度魅力的に思うか」という設問は、やはり「あいまい」な印象を受ける。

 人の魅力を数値化し、順位付けするのは難しいように、地域の魅力もまた然(しか)りということか。群馬、栃木、茨城の北関東3県は魅力度が低い結果になってしまったが、いずれも魅力的な県であることは確かだろう。どんなものにも順位付けはあり、その結果は気になるものであるが、都道府県の魅力度に限らず、こうしたランキングにそこまで一喜一憂する必要はないのかもしれない。

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