アメリカ発、世界で支持されるLCC
しかし、国土が広く圧倒的な国内線需要があるアメリカ「サウスウエスト航空」が初めて導入したLCC(ローコストキャリア、格安航空)は、その倒的な航空運賃の安さでまたたく間に世界を席捲しました。その合理性の要はボーイング737等単一機材の運用に絞ることでの、整備や訓練コストの大幅なコストダウンでした。
目的地まで安全かつ遅れずに到着できるという航空機最大の便益は変わらないわけですから、人気が出て当然ですし、お金に余裕がある人でさえもその合理的な思想を評価し愛用する人が多いのもうなずけます。一方で、客席をスタンディングスタイルにしようと試みるLCCや、当たり前に発生するオーバーブッキングなど、ローコストを追求するあまり少し行き過ぎ感のあるエアラインが存在することも事実です。
現代的でクールなブランディングの方向性
日本で最初のLCCが就航したのは、2012年のピーチアビエーション(ANA傘下)ですが、現在ではバニラ・エア(ANA傘下)、エアアジア・ジャパン、ジェットスター・ジャパン、春秋航空日本、の合計5社がすでに運航中です。
そこにいよいよ2020年JAL資本で満を持して登場するのがZIPAIRなのです。しかも737での短距離運航が多いLCCの中で異色のボーイング787-8型機という長距離運航も可能な最新鋭機を採用してのローンチです。
英語で矢などが素早く飛ぶ様子を表した擬態語「ZIP」から生まれた造語「ZIPAIR」をエアラインブランド名に採用。Zのマークを含めて日本国籍を感じさせない非常にコスモポリタンな印象。暖色を排したシンプルなカラースキームも非常にクールです。ブランド名やロゴマーク、カラースキームから感じる価値観は、合理性や現代的なシンプルネス、クリンネスでしょうか。