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厳しい環境、すかいらーく再び輝くか 新規出店で団塊世代狙う

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厳しい環境、すかいらーく再び輝くか 新規出店で団塊世代狙う

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上場記念の鐘を鳴らす前に写真撮影に応じるすかいらーくの谷真社長=9日、東京都中央区の東京証券取引所  ファミリーレストラン「ガスト」などを運営する外食大手のすかいらーくは9日、東証1部に再上場した。2006年に経営再建のため経営陣による自社買収(MBO)を実施して上場廃止になって以来、8年ぶりの市場復帰となる。

 この日の終値は1143円で、時価総額は約2300億円となり、外食では日本マクドナルドホールディングスに次ぐ規模になる。今後、上場で調達した資金を新規出店の費用などに充て、団塊世代を取り込む戦略を描く。

 「8年で、ようやくここまで成長できた」。この日、上場記念セレモニーの会場で、同社の谷真社長はこう振り返った。

 ファミレスの草分け的存在で、00~06年に1700店舗を出店するなど、「新規出店で売上高を伸ばし続けるビジネスモデルを推し進めてきた」(谷社長)。だが、消費者の低価格志向の広がりで牛丼チェーンなどに客を奪われるなどして、赤字店舗が続出する事態に見舞われた。

 06年に株式を非公開化して、長期的な視点で経営を立て直すことを決意。運営する中華レストラン「バーミヤン」、和食レストラン「夢庵」などの不採算店舗を閉鎖し、既存店を成長させる方向にシフトした。11年には、米投資会社ベインキャピタルの傘下に入った。現在、グループ全体で国内に約3000店、海外で約40店(9月末現在)を展開する。

 今回、上場で得た約50億円の調達資金は、店舗改装に加え、新規出店にも振り向ける。これまでのメニュー改定などの店舗改革や人事改革で体質改善が図れたと判断しており、今後は「手薄な都市部を中心に3年で210店舗を新規出店する」(谷社長)。

 ただ、同社を取り巻く環境は厳しさを増している。政府が発表した9月の月例経済報告は、景気の基調判断を「このところ一部に弱さもみられる」として下方修正したが、その要因の一つに外食売上高の低迷を挙げた。

 人件費の高騰や円安による輸入原材料価格の上昇、消費税増税も逆風で、厳しい船出となる。(飯田耕司)

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