日立、中国に世界最速エレベーター 三菱電機、東芝との覇権争い激化
更新日立製作所は21日、分速1200メートルという世界最高速のエレベーターを開発し、中国・広州市に2016年に完成する超高層ビル「広州周大福金融中心」(高さ530メートル)に導入すると発表した。21人乗りのエレベーターは、ビルの95階までの440メートルを約43秒で昇るという。エレベーター“最速”の覇権争いは、三菱電機、東芝を交えた三つどもえの戦いの様相を呈してきた。
日立は世界最高速を実現するため、大出力と薄型化を実現した永久磁石モーターを新たに開発。エレベーターのかごを引き揚げるのに必要なロープは従来比30%強度を高めながら、重量を30%軽量化することで巻き上げ機の負荷を大幅に軽減した。
一方で、超高速走行中に異常があった場合に安全に停止できるよう、300度を超える発熱にも耐える制動材を採用したブレーキ装置を開発するなど、安全性も高めた。振動を抑えて快適性を高める技術も盛り込んだ。
日立は、広州の新ビルに、今回の分速1200メートルのエレベーター2台をはじめ、低層用も含め合計95台を納入する。