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町工場「脱下請け化」 下町ボブスレーの経営者ら「エヌバイク」開発

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町工場「脱下請け化」 下町ボブスレーの経営者ら「エヌバイク」開発

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 横田社長は、事業化に向けた資金集めの手段としてenmono(エンモノ、東京都渋谷区)が提供するクラウドファンディングサービスを活用した。目標金額は80万円。すでに60万円超集まり、ゴールが見えてきた。出資者には金額に応じてTシャツや試乗会を提供する。

 ただ、クラウドファンディングを活用した理由は単なる資金集めだけではない。大手では商品化できなくても「自分のアイデアを具現化したいと切望するエンジニアは多いはず」と横田社長。そうしたエンジニアがアイデアを形にする手段としてクラウドファンディングが広まれば、実際の製作で町工場が受け皿になると期待する。

 中小の苦境は大田区だけではない。経済産業省によると従業員規模が4~9人の製造業事業所数は2010年で9万9883。2000年に比べほぼ半減した。だが、なお中小企業が日本経済の大部分を占める構造に変わりない。本格的な景気回復には中小企業の経営体質強化、とりわけ下請け体質からの脱却が鍵を握る。

 下町ボブスレーを経て大田区で始まった新プロジェクトはその試金石となる。(伊藤俊祐)

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