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サントリー食品が天然水を増強 南アルプス白州工場、生産ラインに70億円
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サントリー食品インターナショナルが生産ラインを増強する天然水南アルプス白州工場=山梨県北杜市 サントリー食品インターナショナルは10日、天然水南アルプス白州工場(山梨県北杜市)のミネラルウオーター生産ラインを約70億円かけて増設すると発表した。堅調な需要と宅配事業の拡大に対応、現在年間5000万ケースの生産能力を来春までに6000万ケースへと20%引き上げる。
「サントリー天然水」は鳥取、熊本両県の工場(年産計2100万ケース)もフル操業が続き、容器詰めを外部に一部委託。5月には、3大都市圏で展開している宅配事業について沖縄を除く全国に広げる計画で、大消費地に近い工場の増強を決めた。今年は前年比6%増、7930万ケースの販売を目指す。
ミネラルウオーターをめぐっては、飲料大手のキリンビバレッジも宅配事業会社と昨年提携して販売チャネルを拡大、今年は「アルカリイオンの水」を13%増の2560万ケース販売する計画。アサヒ飲料は「おいしい水」のブランド力強化に注力し、9%増の2520ケースを目指す。
ミネラルウオーターの今年の市場規模は、矢野経済研究所によると0.4%増の2490億円(出荷額ベース)となる見込み。調理用や災害備蓄などの需要が堅調な一方、付加価値を高めにくいため価格競争が厳しい。大手各社はレモンの香りを付けたフレーバーウオーターなどでラインアップを広げ、商品の差別化を図ろうと懸命だ。