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東レ、自動車内装向け高級人工皮革を拡販 日欧、新興国で
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ウルトラスエードを編み込んだ畳や壁面で茶室をデザインしたアーティストの清川あさみさん=22日、東京都港区 東レは22日、米国を中心に展開している高級人工皮革「ウルトラスエード」について、自動車向けを中心に、日本や欧州、新興国で拡販する方針を明らかにした。同素材が持つ滑らかな手触りなどの機能性や、再利用素材を原料とした環境面での優位性を訴求。高級車や電気自動車(EV)のシートや天井材など、内装用の素材としての需要開拓を急ぐ。
東レは現在、滋賀県と岐阜県の2工場で、ウルトラスエードを生産。年間の生産能力は600万平方メートルあり、「高い稼働率で生産している」(マイクロファイバー事業部門の安東克彦担当課長)状況だ。
このうち約3割が自動車向けだが、今後はこの比率を高めるとともに、生産能力も引き上げる方針。「ウルトラスエードの機能性が求められる高級車やEVは、欧州や新興国でも需要が高まる」(安東氏)と予測し、中国やロシア、中東などへの展開を積極化。生産拡大による国内工場のライン増強なども視野に入れている。
今後はウルトラスエードを日本発のグローバルブランドとして認知度を高めるため、企業や有名デザイナーを活用したPR活動も予定。同日、都内で行われたブランド説明会では、アーティストの清川あさみさんが、畳や壁面にウルトラスエードを編み込んだ素材を使った茶室を披露した。