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ドコモ“独り負け”脱出なるか 大手3社にiPhoneそろう
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NTTドコモが20日にも、米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」を発売することが6日、分かった。
すでに取り扱っているKDDI(au)やソフトバンクモバイルに対抗、人気機種を投入することで“独り負け”状態だった国内スマホ市場で巻き返しを図る。国内携帯大手3社がアイフォーン販売で激しい競争を繰り広げることになり、先行2社も戦略の見直しを迫られそうだ。
アップルは10日(日本時間11日未明)に米カリフォルニア州の本社で「アイフォーン5」の後継モデルと廉価モデルを発表するとみられる。これを受け同日、ドコモや中国最大手の中国移動通信が新たにアイフォーンを発売することが明らかになる見通しだ。
ドコモの2013年度のスマホ販売計画は1600万台。加藤薫社長はかねて「(総販売台数の)2~3割なら売ってもいい」と述べており、アップルとは年間500万台前後の販売台数で合意したもよう。既存顧客からの機種変更も多いと予想されるが、スマホの販売計画は上積みが確実だ。
ドコモはこれまで米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」搭載のスマホだけを販売していたが、アイフォーン人気に押されて、番号持ち運び制度(MNP)による他社への転出超過が続き、月によっては契約者が減少するなど劣勢が続いていた。12年度は過去最悪の140万件の転出超過となったほか、契約数の伸びも140万件にとどまり、353万件のソフトバンク、260万件のKDDIに水を開けられた。
今年の夏商戦では、ソニーと韓国サムスン電子のスマホを「ツートップ」として販売促進費を重点配分して安く売り出した。だが顧客の転出超過は止まらず、アイフォーンの発売は避けられない情勢となっていた。
ドコモは、アイフォーンが米国で販売された07年以降、アップルとの交渉を断続的に続けてきたが、特許開示や販売ノルマなどの条件で折り合わず、ソフトバンクとKDDIに先行された経緯がある。
ドコモのアイフォーン発売によって、三つどもえの販売競争に突入。純増数やMNPで優勢だった先行2社はドコモ対抗策をどう打ち出すかが課題となりそうだ。
ドコモは6日、アイフォーン発売の報道について「当社が発表したものではない。開示すべき決定した事実はない」とのコメントを発表した。
事業者 2013年3月末 06年3月末 増減ポイント
NTTドコモ 46.7% 55.7% ▲9.0
KDDI 28.6% 24.7% 3.9
ソフトバンク 24.7% 16.6% 8.1
その他 0.0% 3.0% ▲3.0
総契約数 1億3172万件 9179万件 3993万件
(注)▲はマイナス、番号持ち運び制度(MNP)は2006年10月に導入