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「進化系」水鉄砲、猛暑で大ヒット バンダイ30万個出荷 トイザらス在庫切れ
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バンダイの「ウォーターファイト」シリーズ。機動性や命中率、飛距離、連射などの特性が商品によって異なる 全国各地で記録を塗り替えた今夏の猛暑を背景に、連射や遠距離射撃など高い性能を備えた「進化系」の水鉄砲が大ヒット商品となっている。暑い屋外でも涼むことができる遊びとして男子小学生らの人気を集め、各社の想定より2倍以上の売れ行きをみせ、一部の商品は在庫切れの状況だ。親子で参加する水鉄砲大会など玩具メーカーの需要喚起策も奏功し、定番の玩具ながら再び脚光を浴びている。
ヒットのきっかけを作ったのは、バンダイが3月に発売した「ウォーターファイト」シリーズ。香港のマンリートイズが世界20カ国以上で販売している商品を、バンダイが日本向けにデザインを改良。当初10万個の出荷を予定していたが、販売数は既に3倍の30万個を超えた。
銃身が短く軽い商品のほか、飛距離が10メートルに達したり、給水量が多く連射ができるタイプなど、機動性や命中率などの特性が異なる7種類を用意し、ラインアップの豊富さが特徴だ。価格は1050~4725円と水鉄砲にしては高価だが、「親子で楽しむために複数購入する人も多い」(プレイトイ事業部の松田稔リーダー)という。
水にぬれると色が変わる的がデザインされたジャケットも同時に投入し、同社認定の対戦形式ゲームを提案。今夏に催した大人も参加できる全国大会には延べ300人が参加した。
来年は大会の規模を拡大する計画で、「水鉄砲といえば『ウォーターファイト』と連想できるブランドにしたい」(松田リーダー)と、さらなる拡販に意気込みをみせる。
大手玩具チェーンの日本トイザらスでも、性能が飛躍的に高まった進化系水鉄砲は売れ筋商品となっている。特に米ブランド「ナーフ」の電動水鉄砲「スーパーソーカー」シリーズ(1499~3999円)は電動で約1分間の連射ができ、飛距離が7メートル以上という性能が人気を呼び、在庫切れになるほどという。
欧米では「水祭り」など水を使ったイベントも多く、水鉄砲は子供から大人まで親しまれている。バンダイは将来的に海外での大会開催も検討しているほか、各社も世界で受け入れられる新たな遊び方や商品のアイデアを模索しており、進化系水鉄砲は海外市場をにらんだ戦略商品に育つ可能性もある。