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“大衆車カローラ”HV対応の意味 トヨタ戦略は大転換期へ

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“大衆車カローラ”HV対応の意味 トヨタ戦略は大転換期へ

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「カローラフィールダー」のハイブリッドシステム。燃料タンクや電池は後部座席の下に配置し、効率よくレイアウトしたことで、荷室の広さはガソリン車と同程度を確保した(トヨタ自動車提供)  トヨタ自動車は6日、小型車「カローラ」にハイブリッド車(HV)を追加して発売した。同社の小型HV「アクア」のハイブリッドシステムを活用し、ガソリン1リットル当たりの走行距離を33.0キロまで高めた。

 1966年の初代発売以来、世界で4000万台を販売し、大衆車の代名詞ともいえるカローラに先進技術が搭載されたことで、HVの普及に一層はずみがつき、トヨタのHV戦略にとっても大きな転換期を迎えることになりそうだ。

 昨年5月に11代目となる現行カローラを発売したときにはHVを見送ったものの、“伏線”は張っていた。

 2008年に11代目の企画が始まった段階から5~6年のモデルライフのどこかでHVを追加する構想があり、ハイブリッドシステムの搭載も可能なレイアウトにしていた。このため、わずか1年2カ月という開発期間でカローラHVは誕生した。

 HVの核となるシステムはアクアに採用されたものを水平展開。1500ccの「1NZ-FXEエンジン」やニッケル水素電池、昇圧コンバーター付きパワーコントロールユニットなどで構成される。

 最先端技術を集結させただけでなく、部品ごとの小型軽量化も追求し総力で燃費改善に取り組んだ。

 この最先端システムに、カローラがもともと持つ広々とした視界や乗降性のよさ、荷室の広さがそのまま融合。昨年の全面改良時に車両重量を従来モデルに比べて50~80キロ軽くし、全長を5~6センチ短くした効果も重なり、33.0キロという燃費を実現した。

 価格は、セダンの「カローラアクシオ」が192万5000円から、ステーションワゴンの「カローラフィールダー」が208万5000円から。ガソリン車との価格差は約40万円となる。

 価格や車格の面でも、HV「プリウス」とアクアの中間的モデルと位置付ける。

 トヨタは1997年に世界初の量産HVとしてプリウスを発売してから、プリウスとアクアというHV専用車で販売を拡大してきた。

 現在は、世界で22車種(商用車含む)のHVを販売し、15年末までにさらに15車種を追加する計画だ。

 ガソリン車のHV設定はこれまで、ミニバン「アルファード」「ヴェルファイア」や高級セダン「クラウン」など高価格帯が中心だったが、ガソリン車の旗艦車種にHVを水平展開していくとみられる。

 HV市場をめぐっては、ライバルのホンダが9月中旬に世界最高燃費となる36.4キロの小型車「フィットHV」を発売する。「普通の車」にHVを設定して販売台数を稼ぐ動きは今後も活発化するとみられ、前年割れが続く国内市場で、HVの存在感とHV比率はますます高まりそうだ。

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