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原発調査ロボットに初の「ASIMO」技術 ホンダと産総研が共同開発
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ホンダが開発した高所調査用ロボット ホンダと産業技術総合研究所は17日、東京電力福島第1原発の原子炉建屋内を遠隔操作で調査する「高所調査用ロボット」を共同開発したと発表した。18日から2号機建屋内の1階部分で作業を開始する予定。ホンダが災害用ロボットを開発したのは初めてで、開発したロボットは無償貸与される。
廃炉に向け、目視では見えない高くて狭い場所に電気コードが絡まっているなど障害物があるか確認するとともに、放射線量も計測する。
開発したロボットは、ホンダの人型ロボット「ASIMO(アシモ)」の技術を使った。全長は1.8メートル、全幅0.8メートルで最大到達高度は7メートル。時速は2キロ。アシモの手に施した細かい指関節の動きを応用したため複雑な動きができるという。周囲の構造物の立体的な表示や、構造物に接触した際の衝撃吸収も可能だ。産総研は、作業台車と遠隔操作技術を担当した。
ホンダは、2011年3月の東日本大震災直後から震災ロボットの開発に着手。今後、防災や減災などへの対応を目的としたヒューマノイド(人間型)ロボットの開発も加速させていくという。
福島第1原発の廃炉作業をめぐっては、さまざまなロボットが活躍。事故発生から1カ月後の11年4月には、米アイロボット社製「パックボット」が初めて投入された。無限軌道でがれきなどの上を走行することができ、建屋周辺でのがれき撤去の際に必要な状況を把握するための写真撮影などで貢献した。
日本製のロボットが初めて使われたのは同年6月。千葉工業大未来ロボット技術研究センターが開発した災害対応ロボット「クインス」で、3号機建屋や2号機建屋内の調査や撮影に当たった。