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トヨタのHV販売500万台突破 世界が認めた日本の燃費技術
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歴代プリウスを前にポーズを取る内山田竹志副会長=17日、東京都文京区のトヨタ自動車東京本社 トヨタ自動車は17日、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)の累計販売台数が3月末で500万台を超えたと発表した。
1997年12月に世界初の量産HVとして初代「プリウス」を発売してから15年3カ月で達成した。現在はHV19車種、プラグインハイブリッド1車種を約80の国・地域に投入。昨年は前年比93%増の121万9000台を販売した。うち海外で54万1000台を売り上げるなど日本発の燃費技術が世界で急速に受け入れられている。
初代「プリウス」の開発責任者だった内山田竹志副会長は同日の会見で「プリウスをきっかけに燃費競争が起こった。
トヨタも競争に組み込まれたが、環境問題の改善につながり、社会全体としては良かった」と意義を強調。また「燃費向上の技術が日本発として発信できたこともうれしく思う」と述べた。
ただ、開発当初は「21世紀のどこかで必要な技術と確信していたが、すぐには世の中に送り出せない」との思いも頭をよぎった。
販売も当初、月間300台と低い目標が立てられたが、「それではトヨタが頑張っていると言われないので、無理やり1000台にした」と内山田副会長は振り返る。
普及が進んだ要因として、クルマの乗り方を従来と変えることなく、燃費性能が上がったことを指摘。今後は「環境が重視される国では販売の過半数がHVになる」と自信を示す。
しかし、補助金がなければ価格は依然として割高だ。日本は重量税や取得税など13万~18万円が減税される。しかし、中国などではHVは減税対象になっておらず、海外での拡販には一層のコスト削減が求められる。
中国では急速な自動車普及に伴い、排ガス問題が顕在化している。内山田副会長は「解決策として(低価格の)HVを投入する」と宣言。
一方、中国政府に対し「エコカー補助金のような対策を付与してもらいたい」と要望した。補助金頼みの構図は当面続きそうで、販売は各国の景気動向や環境車をめぐる政策に左右されそうだ。